京橋「立ち飲み通り」に新店-近江牛の料亭が参入、「京橋ハイボール」も

風俗案内所が立ち飲み店に。オープンから1週間(6月16日~22日)は飲み物半額

風俗案内所が立ち飲み店に。オープンから1週間(6月16日~22日)は飲み物半額

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 JR京橋駅から東に伸びる通称「立ち飲み通り」に6月16日、一風変わった立ち飲み店「とん両」(大阪市都島区東野田町3、TEL 06-6353-4177)がオープンした。ドリンク、おつまみが全品300円以内という京橋の中でも格安の価格設定が特徴。

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 経営はエム・ケイ・ケイ(滋賀県近江八幡市)。同社はこれまで近江牛を扱った創作料理店「御両(ごりょう)」を地元・近江八幡と大阪城公園内で展開し、3,500円~7,000円のコース料理を中心に提供してきた。ところが、「昨今の経済情勢の中で、より多くのお客様に親しまれる入りやすい店を展開したい」(同社飲食部ゼネラルマネジャーの大賀隆義さん)という方針の下、立ち飲み業界への参入を決意。

 大賀さんはこの半年間、京橋で気軽に利用できる店舗を探し続けた。「立ち飲み人口が高い京橋で勝負したいと思った。しかし物件に空きがなく方針転換も考えていた」(同)。そうした矢先の今年4月、警察の取り締まりにより駅近隣の風俗案内所が一斉に退去した。大賀さんは、その瞬間を見逃さず契約にこぎ着けたという。

 店長を任されることになったのは本田亮一さん(35)。本田さんは岸和田で生まれ育ち、飲食業一筋15年のキャリアを持つが、これまで立ち飲み店の経験はなかった。「初めての立ち飲みに初めての京橋。京橋はなんかちょっと怖いイメージがありますね…」とやや引き気味の様子。

 オープン初日。この日から1週間はドリンクが半額になるとあり、11時の開店から人が押し寄せた。ウリは、ウイスキーを炭酸で割る昔ながらの香りが漂う「京橋ハイボール」。特製の製造機できめ細かい泡立ちを引き出しシャンパン風味に仕上げる。近所の立ち飲み店から「偵察」に来る立ち飲み常連客たちの姿も見受けられる。近隣で飲食店を営む60代の男性は「風俗店がこんな店に変わって通りが明るくなった。大歓迎や」と同店登場を歓迎する。

 18時を過ぎたころから店は仕事帰りのサラリーマンでにぎわい始めた。最も好評だったのは「豚の角煮」。北海道にある直営の牧場で育てたこだわりの豚を黒糖で5時間かけて煮込んだもの。「300円でこんな料理が味わえるなんてありえへん」と喜ぶ30代女性。一方で、「京橋では安くてうまいだけではダメ。そこが難しいところなんや」(70代の地元男性)という厳しい声も。

 閉店は23時。店長の本田さんは「京橋の人はイメージとは違って怖くなかった(笑)。お客さんが気さくに話してくれた。いろいろな人が集まって楽しんでもらえる店にしていきたい」と笑顔で声を弾ませた。

 客単価は1,000円。営業時間は11時~23時。

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