空間作品に特化した「空間美術館 大阪」が8月1日、UR森之宮ビル(大阪市城東区森之宮1)にオープンする。これに先立ち、7月24日に内覧会が開かれた。
同館を開設したのは、光を使った空間作品を手がけるアーティストの千田泰広さん。身近な素材と手作業で、見る人の感覚に働きかける作品を制作し、欧州を中心に世界各地の芸術祭や展覧会に参加してきた。
これまで各地の会場で作品を展示してきた千田さんは、「次のフェーズに進みたい」と自身の美術館づくりを構想。場所を探す中、元UR西日本本社のオフィスだった同ビルと出合った。千田さんは「廃虚のような雰囲気や、食堂、倉庫のたたずまいに引かれた。大阪城に近く、交通の便が良いことも決め手になった」と話す。構想から開館まで2、3年をかけ、大阪に4カ月間滞在し準備を進めてきたという。
同館の大きな特徴は、制作段階から地域住民や大阪公立大学の学生がスタッフとして参加していること。館内の壁を塗ったり、什器を作ったり、作品制作のサポートのほか、開館後は館内の案内など、運営にも携わる予定で、「市民が作り、市民がガイドする美術館」を掲げる。
同ビル1階には、UR都市機構と同大が連携して開設した地域交流拠点「ほとりで」がある。地域住民や学生、周辺で働く人の「やってみたい」を実践につなげる場で、同拠点を通じて築いた地域とのつながりが、住民や学生に美術館づくりへの参加を呼びかける運営につながったという。
制作スタッフのメンバーで森ノ宮在住の森山佳代子さんは「制作段階からわくわくして楽しかった。お客さまにもこのわくわくを味わってもらいたい」。同メンバーで東成区在住の久馬夢乃さんは「みんなで一致団結して準備してきた。大阪で一番の体験をしてもらえるように努めていきたい」と意気込む。
館内では、光や糸などを使い、鑑賞者が空間に入り込んで体感する作品を展示。ヘッドホンで専用に制作された音を聞きながら作品を鑑賞する「Art and Audio」も取り入れる。
千田さんは「物を作るのは人間の根本的な活動。一緒に作ることで、立場を超えて仲良くなれる」と話す。
開館時間は13時30分~19時30分。月曜~水曜休館。入館料は、平日=1,500円、土曜・日曜=1,800円、小学生以下無料(要保護者同伴)。完全予約制。