タンメン専門店「京橋タンメン」（大阪市都島区東野田町5、TEL 06-6925-6321）が京橋にオープンして2カ月が過ぎた。「京橋という大人の街にヘルシーな食べ物を」という店主・堂園直樹さんの思いで立ち上げた同店は、年配客を中心ににぎわいを見せている。

これが野菜1キロを盛った「タンメン野菜特盛」（900円）

　ヘルシーへの強いこだわりは、堂園さんのサラリーマン時代に始まる。大阪出身の堂園さんは学校を卒業して東京のコンピューター会社に就職。プログラミングの担当で昼夜パソコンの前に座り、たばこの煙が充満する会社の床で寝泊まりする日々を送っていた。そんな不健康な生活を支えてくれたのが近所の行きつけのタンメン店だったという。

　結局体を壊し17年勤めた会社を辞めることになった堂園さんは「ヘルシーな食べ物を提供する仕事がしたい」と大手チェーン居酒屋などで飲食業界のノウハウを学び、3年前に大阪に戻ってきた。今や「副業」となったプログラムの仕事で開業資金をため、今年6月、約5坪の店を京橋に出した。「京橋は夜の街というイメージがあり、逆に健康が引き立つのではないかと思った」。関東ではポピュラーなタンメンだが、「関西でタンメンの専門店は初」（同）だという。

　オープンして2カ月。来店客からは「味が薄い」「インパクトに欠ける」という厳しい評価を受ける一方で、「野菜がおいしくていくらでも食べられる」と女性や年配のヘルシー志向の人から好評だという。「普段あまりラーメンを食べない人に評判がいいようだ（笑）」。普通のタンメンは250グラムの野菜の量で600円だが、100円増しで野菜が2倍の500グラムになる。「半分冗談で作った」という野菜が1キロのメニュー「タンメン野菜特盛り」（900円）の注文も意外に多いという。タンメンの他にも無農薬の米で作った「発芽玄米ごはん」（100円）を用意するなど健康食にこだわる。

　「食べた後に後悔しないヘルシーで充実したタンメンを提供したい」という堂園さんの次の目標は「2号店を出すこと」。堂園さんは今、京橋の店を切り盛りしながらプログラムの「副業」でお金をためている。