脱サラ兄と業界一筋の弟-京橋出身の兄弟が地元で居酒屋開業

地元・都島で生まれ育った2人。左=兄・勝嗣さん、右=弟・琢也さん

地元・都島で生まれ育った2人。左=兄・勝嗣さん、右=弟・琢也さん

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 JR京橋駅近くの桜通り商店街に12月5日、「居酒屋厨房 酒楽(しゅらく)」(大阪市都島区東野田3、TEL 06-6354-7847)がオープンした。

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 店主の川口勝嗣さん(32)は、9月まで車の部品を売る営業マンだった。パートナーは10年間飲食業一筋に修業を積んできた4歳下の弟・琢也さん(28)。「性格も考え方も全く違う」(琢也さん)兄弟コンビが店を仕切る。

 「人に仕えるのではなく、自分で商売をしてみたかった」という兄・勝嗣さんは、12年にわたり会社一筋のサラリーマン生活を続けてきた。それだけに今年4月に営業所長を任された矢先の9月退職・開業は周囲を驚かせたという。店では持ち前の営業力を生かし接客を担当。

 店舗面積は30平方メートルで、席数は16席。店のある桜通りはJR京橋駅から歩いて2分程度の便利なところだが、メーン通りから脇へ入る路地裏で、街に詳しい人しか訪れないような場所だけに、「お客さんに落ち着いてゆっくり時間を過ごしていただきたい」(勝嗣さん)とも。

 一方、弟・琢也さんは地元の高校を卒業してから10年間飲食店の厨房担当を地道に続けてきた。店の看板メニュー「朝びき若鶏の豪快焼き」(820円)は、琢也さんの人脈で仕入れているもの。ほかに「巻きたて出し巻き」(380円)、「あったかクレープのアイス包みチョコレートソース添え」(500円)など多彩なメニューが並ぶ。客単価は3,000円を想定。「笑いの絶えないアットホームな店にしたい」と琢也さん。

 流行に敏感な自由人で人の気持ちをつかむのがうまい兄と、努力家の弟。2人が店を始めるきっかけは5年ほど前、何気なく交わした会話だったという。「いつか一緒に店をやろうかとどちらからともなく持ちかけた」(勝嗣さん)。それがいつしか現実となり、2人で店を切り盛りする毎日。

 「兄が思ったより緊張しているのが意外」と琢也さんが話すのに対し、「当たり前やろ、お前と違って知らん業界に入ったんやから」と言い返す2人の会話がまさに家庭の雰囲気。「小さいころからけんかばかりしてきた」(勝嗣さん)という2人の兄弟のきずなは厳しい商売の世界で結束するか。新たなスタートが始まった。

営業時間は17時~翌2時。

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