大阪で震災避難者がスイセン植え込み-園芸家の被災地支援運動の一環で

「咲くやこの花館」前の芝生にスイセンの球根を植え込む家族

「咲くやこの花館」前の芝生にスイセンの球根を植え込む家族

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 花博記念公園鶴見緑地の「咲くやこの花館」(大阪市鶴見区緑地公園2、TEL 06-6912-0055)で10月27日、東日本大震災で関西エリアに避難している人たちを対象にしたスイセンの球根の植え込みイベントが行われた。

参加者全員での記念撮影

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 日比谷花壇(東京都港区南麻布1)が主催するもので、東日本大震災の被災者と共にスイセンが開花する喜びを分かち合い、心を癒やしてもらおうと呼び掛ける「球根シェア5 FOR 5(ファイブフォーファイブ)運動」の一環。運動は、園芸家の柳生真吾さんが主宰する全国の家庭で育てられているスイセンの球根を集め被災地に送る「あなたの庭のスイセンを被災地に咲かせよう!」プロジェクトに協力するために始まった。

 家庭でスイセンを育てていない人からも「このプロジェクトに参加したい」という声が多かったことから同社が球根の販売を開始。スイセンの球根5球を購入すると、同数の球根が被災地にも贈られる。昨年は1万9490球の球根が被災地に贈られ、今年もすでに1万球以上の球根が被災地に贈られる予定になっているという。「今年は東北だけでなく、全国に避難している広域避難者の方も元気になってほしい」と大阪や名古屋でスイセンを植えるイベントを行うことにした。

 当日は、福島県や宮城県から避難してきた3家族10人が集まり、スイセンの球根を植えた。「楽しみにしていた」と話す飯坂徹さん、康子さんご夫婦。宮城県から西成区に避難しており広域避難者のイベントによく参加しているという。「幼稚園でチューリップの球根を植えたのが楽しかったから今回もやりたかった」と話すのは森松明暁(めいよう)くん、明愛(めいあ)ちゃん兄妹。母親の明希子さんは、「子どもが参加できるイベントにはなるべく行くようにしている。楽しそうにしていたのでよかった」と笑顔を見せた。家族4人で参加した中橋さん一家は福島県南相馬市から避難。「いずれ福島に帰ったら子どもを外で自由に遊ばせることができなくなる。今のうちに自然に触れさせてあげたかった」と胸中を語った。

 館長の久山敦さんは「神戸の震災では花が心の癒やしになった。東日本大震災で被災された方にも花を見て心を癒やしてほしいと思っていたが、なかなか現地には行けなかった。今回は少しでも力になれたらと協力させてもらった」と話す。来年の春には黄色い花が咲くという。

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