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「クジラのひげ」に魅せられたジュエリーデザイナー、京橋画廊で個展

ヒゲクジラでできたアクセサリーが並ぶ「京橋画廊」

ヒゲクジラでできたアクセサリーが並ぶ「京橋画廊」

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 大阪・京橋の「京橋画廊」(大阪市都島区東野田2、TEL 06-6351-3134)で現在、「クジラ工芸家」稲田浩さん(69)のアート・アクセサリー展が開催されている。

クジラのひげを使ったネックレス

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 稲田さんは日本で唯一、クジラのひげでアクセサリーを作るクジラ工芸家。使うのは、「ヒゲクジラ」に分類されるクジラの口の中に「ひげ」のように生えている角質の薄い板(ひげ板)で、歯が無い代わりに海水のプランクトンをこして食べるための特殊な器官。稲田さんは、ひげを乾燥させた後、何重にも重ねアクセサリーに加工する。

 和歌山出身の稲田さんは、15歳で印刷会社のグラフィックデザインに携わり、20歳で上京。ジュエリーデザイナーとして全国各地の百貨店で個展を開催し、40歳の時、和歌山の展示会でクジラのひげに出合った。魅了された稲田さんは、当時国内で唯一クジラのひげを使った工芸を手掛けていた小柳佐喜男さんの元を訪ね、ひげ板の扱いを習得。その後、独学で研究を重ね今の形に至った。日本で唯一のクジラ工芸家継承人としての実績が認められ、昨年は日本三大宮様賞の一つ「東久邇宮(ひがしくにのみや)文化褒賞」、今年4月18日には「東久邇宮記念賞」を受賞した。

 稲田さんは現在、京橋に在住。2010年から毎年春と秋に同画廊で個展を開いている。今回は、ナガシクジラ、イワシクジラの2種類のひげを組み合わせた首飾りや、ひげに漆と天然石を合わせたネックレスなど50点以上を展示。乾燥させたクジラのひげの実物も展示する。

 「クジラのひげで作ったアクセサリーがあることを知る人はまだ少ない。この個展で少しでも多くの人に知ってもらえたら」と稲田さんは話す。

 開催時間は11時~18時(24日は16時まで)。入場無料。4月24日まで。

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