吉本お笑い芸人がシリアスな舞台に挑戦-京橋花月「よる芝居」で試み

「CROSS CONNECTION」の1シーン

「CROSS CONNECTION」の1シーン

  • 0

  •  

 昨年秋にオープンした新劇場「京橋花月」(大阪市都島区東野田町、TEL 06-6881-3681)で1月9日~18日、「よる芝居」第2作目となる「CROSS CONNECTION」が上演された。演出はWill Do大阪代表のSADOYANさん。

[広告]

 出演者は、矢野・兵動、武内由紀子さん、いがわゆり蚊さん、佐藤太一郎さんなどの吉本のメンバーに、春野恵子さんや藤原浩太郎さんなどが加わり、ダブルキャストでランディーズや、「桜」の稲垣早希さん、日替わりゲストで天津や千鳥、笑い飯などが華を添えた。

 「大阪で2日に1人のエイズ患者が見つかっているという現状に危機感を感じて作った」(脚本と出演も兼ねたSADOYANさん)という同舞台は、バンパイアと人間の関係性をテーマに描きながら、コメディーの要素も盛り込んだ異色舞台。オープニングはダンスで始まり、主演の兵動さんを中心に加えていった笑いの部分と、シリアスな芝居の部分が混じり合う不思議な舞台となった。バーのマスター役の兵動さんと、お客さん役で出演する日替わりゲスト(18日はダイアン)とのトークシーンでは、大きな笑いと拍手が起きた。

 「よる芝居」の担当者は、「お客様は演劇を見るというより芸人たちの個人のファンとして来られている方がほとんど。それでもアンケートには『新喜劇かと思って来たけど良い意味で違った』『初めて芝居を見たけどハマりそう』という声もあり、少しずつリピーターも出てきている」と自信をのぞかせる。

 「『花月』と名の付く限りお笑いは必須で、そこでどうやってお客様から涙と感動をもらうか。京橋花月はNGKとbaseよしもとの間のポジションで、いろいろな試みができると思う。京橋花月では、新しいソフトや人材を作ろうとしており、『よる芝居』もその一環。これからどういう形にしていくか、1年かけて見出したい」(同)と話す。

 女優を目指すバンパイア役いがわゆり蚊さんは、「10月中ごろから週1~2日というペースで始まり、12月には週5~6日に及んだけいこで、保育補助のアルバイトはクビ同然で辞めることになり金銭的につらい上に、初の本格的な舞台ではお笑いとは作り方が大きく違って戸惑いも多く、賞レースなどのスケジュールと相まって気が狂いそうになった時期もあった(笑)」と振りかえる。「でもスタッフとキャストが全員いい人だったので本当に救われた」と笑顔を見せた。

 次回の「よる芝居」は2月4日~21日の「茂造〜閉ざされた過去〜」。NGK座長の辻本茂雄さんの人気キャラクター「茂造」の若い時代の話で、「セットや、芝居の頭と終わりは新喜劇だが、中盤はシリアスな舞台」(同担当)になるという。

 2月の「よる芝居」の開演時間は、平日=18時30分~、土曜=19時~。料金は、大人=当日3,500円(前売り3,000円)、小学生=当日1,500円(前売り1,000円)。休演日=8日・11日・15日・21日。

京橋経済新聞VOTE

あなたのお住まいはどちらですか?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース