都心のマンションで収穫祭-中庭で育てた米で作ったおにぎりほおばる

マンションで自分たちで作ったお米をほおばる子どもたち

マンションで自分たちで作ったお米をほおばる子どもたち

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 城東区内のマンション「タイムズ・ピース・スクエア」(大阪市城東区今福西6)で12月5日、「収穫祭」が行われ、マンション中庭の田んぼで作られた米からできたおにぎりを住民たちで分け合って口にした。

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 中庭にある田んぼの面積は220平方メートル。同マンションの49世帯147人で成る「田んぼ倶楽部」の会員がこの1年をかけて、田植え稲刈りはもちろん、土の整備から雑草の整備など本格的な農業体験を実践しながら米作りを続けてきた。同倶楽部部長の西庄寛さんは「無農薬というものがこんなにも大変なことだということが身をもってわかった」とこの1年を振り返る。

 10月3日の稲刈りから日干し、脱穀、精米を経て出来上がった完全無農薬米は50.7キロ。マンション名をとって「TPS米」と名付けた。

 当日は、田んぼ倶楽部のメンバーが朝8時から5升釜4口で炊き出しを開始。半日かけて907個のおにぎりを作り、全1,000戸の同マンションに各戸1個ずつ配った。少し塩をまぶしただけのシンプルなおにぎりをほおばる住民たち。中原佑菜ちゃん(4)と山本茉凛ちゃん(4)は「とっても甘い」と声をそろえる。広瀬一樹くん(4)は「家でごはんを食べてきたけどおいしいから全部食べた」。付き添っていた山本佳寿美さん(33)は「大阪のマンションでこんな体験ができるなんてうれしい。近所の知り合いばかりなので安心して子どもと参加できて親も楽しい」と笑みを浮かべる。

 昭和期の急速な住宅化に伴い農地がほとんど無くなった城東区。同マンション関係者によると、日ごろ(同マンション住人でない)近隣の住民が多く見学に訪れて、「いい感じで稲が育っているね」などと声をかけられることが度々あるという。都心のマンション内にできた一見アンバランスとも見える田んぼ。この空間を通して実ったコミュニティー。来年も3月から土作りを始める予定だ。

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