吉本新喜劇・辻本茂雄さん、京橋花月で初演出のシリアス劇を語る

真剣な中にも笑顔がこぼれる辻本さん

真剣な中にも笑顔がこぼれる辻本さん

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 京橋花月(大阪市都島区東野田町、TEL 06-6881-3681)の「よる芝居」で2月4日から、吉本新喜劇座長の辻本茂雄さんのシリアス劇初演出となる「茂造〜閉ざされた過去〜」が上演されている。

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 同舞台は、なんばグランド花月(NGK)で人気の「茂造」の過去を、お笑いの新喜劇と、シリアスな本格的芝居で描く新スタイルの舞台。初日の4日は、おなじみの新喜劇スタイルの芝居を辻本さんと浅香あき恵さんをメーンに40分、過去を描くシリアスな芝居を辻本さんと島田一の介さんやゲストの松下萌子さん(オスカー)をメーンに1時間50分、ラスト数分は新喜劇の芝居に戻るという、休憩なしで計2時間半を超える舞台となった。

 今回主演と、初のシリアス芝居の演出を手掛ける辻本さんは公演前のインタビューで、「演出は若手のころにイベントでやって以来。NGKは漫才や落語、マジックありの演芸場なので、お笑いが必要。でも、芝居がきっちりしていないと笑いもないと思っている。今回は新喜劇のメンバーの底力を見せたい。ネタばれになるので多くは言えないが、茂造の過去を楽しみに来てほしい」と意気込みを語る。

 自らの過去を「中学1年生のころから競輪選手になりたくて、インターハイや国体にも出た。両足に腫瘍(しゅよう)が見つかって断念せざるを得なくなったが、でも夢を追いかけてきたのでサラリーマンはやれず、お袋が見つけてきたNSCに入った。ダウンタウンの人気が出てきたころだった」(同)と振り返り、「座長になる前は、少なくとも初日と中日と楽日は新喜劇を客席で見ていた。あごネタや食いぬき(客を盛り上げてハケる)で、いらわれているだけの時、このままではダメだと、勇気を振りしぼって会社の人に『あごネタをやめてほしい』と言ったことも。休演した人の代役をやっているのを、当時座長だった間寛平さんが見ていてくれて、初の主演は広島横断公演だった」と懐かしむ。

 辻本さんは「今回の舞台は、普段のように感覚で覚えるのではなく、感情や動きを台本にメモし、自分の役は代役をやってもらって演出もした。たった3シーンに4時間かけたことも。朝から、本番の合間を縫って、こんなにしたことがないってくらい、けいこをした」と笑い、「けいこはみんな集中している。やりにくい所があれば言うてと意見を聞きながら、きっちり場面をいいシーンに仕上げていく。メリハリをつけるための新喜劇のドタバタからシリアス劇に移るが、茂造のキャラがあるので子どもさんにも楽しんでもらえると思う」と自信をのぞかせる。

 同舞台の出演者のひとりで、「死んだらええのに」の決めゼリフでおなじみの秋田久美子さんは公演後、「京橋花月は楽屋がきれいでうれしい。舞台は、お客さんが近く一体感があるので、思わず毒舌なアドリブもバンバン出ちゃう」と話す。「京阪モールに、ステーキカレーのおいしいカレー屋さん『フジオ軒』を発見した。京橋花月から近いので、芸人さんが結構行っている」とも。

 2月の「よる芝居」の開演時間は、平日=18時30分~、土曜=19時~。料金は、大人=当日3,500円(前売り3,000円)、小学生=当日1,500円(前売り1,000円)。休演日=同8日・11日・15日・21日。

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