京橋のイタリアン酒場「ORA」(大阪市都島区東野田町5、TEL 06-6167-7379)が現在、クラウドファンディングを活用した児童自立支援と就労支援を行っている。
ソーセージに練りこむパセリを児童自立支援施設が栽培し、それを同店が購入。ソーセージの受注と発注の仕事を就労継続支援A型事業所「ふたつの花」と就労生活サポートセンター「はなはな」で請け負ってもらい就労支援するというもの。その製造費や広告費の一部をクラウドファンディングで募っている。支払金は子どもたちが自立する時のためにプールされるという。店主・吉田誠也さん(40)は「自分がおいしい料理を作ることでお客さんが喜び、問題を抱える子どもたちの支援もできたらという思いで始めた」と話す。
2年前、子どもたちの自立や終末医療を受ける支援のための社会貢献教育活動「ノーズチャリティー」を知った吉田さん。小学校低学年の頃、小児がんで友達を亡くした経験を持つことから、「この活動に感銘を受け、料理人として何かできることはないか考え始めた」と話す。
「ノーズチャリティー」は、飲食店などで「鼻」と呼ばれるスポンジの球体を購入し、自分の鼻に付けた様子をSNSでその店のハッシュタグと共に投稿することで、チャリティーへの参加を示し店の宣伝を行う。「鼻」の売り上げが子どもたちへの支援金となり、支援先の子どもたちから直接お礼のメールが届く。今回のクラウドファンディングの返礼品の中に「鼻」を加えることでノーズチャリティーとしても貢献しているという。
クラウドファンディングの返礼品には「鼻」のほか、牛肉ソーセージや豚肉ソーセージ、イタリアン特別コース、ドリンクチケット6杯分などの商品券、店内ポスターへの名前掲示、オリジナルZOOM背景の作成など思考を凝らした商品を金額に応じて用意する。目標金額は50万円。
コロナの影響で厳しい状況が続くが、吉田さんは「普段からしんどい状況にある子どもたちや就労支援A型の施設の方たちはコロナで余計にしんどくなっている。今だからこそやらないといけない」と意気込む。