京橋東商店街(大阪市都島区東野田町3、TEL 06-6357-8711)の各所で、疫病除けの言い伝えがある妖怪「アマビエ」のイラストが描かれた紙が、5月19日より貼られている。
アマビエは、長い髪にくちばし、うろこを持ち3本足の半人半魚の妖怪。江戸時代後期に熊本県の海に現れ「病気が流行したら自分の姿を描いて人々に見せよ」と告げ、海の中に消えたとされる。今回、同商店街理事長・弓削(ゆげ)要さん(80)の、コロナの影響で疲弊する店舗を助けたいという思いで、アマビエをイラスト化。「尼美笑」という字に置き換えポスターを作成し、お札として貼ってもらうよう各店舗に配った。「インターネットなどで調べていく中で『尼美笑』という文字が出てきた。美しい笑顔にもつながる希望に満ちた字だと思いこの名前に決めた」と弓削さん。
同商店街に加盟するのは41店舗だったが、コロナの影響で居酒屋1店舗が閉店を余儀なくされた。商店街の立ち上げから23年、理事長を続けてきた弓削さんは「組合が維持できたのはそれぞれの店舗の頑張りのおかげ。今こそ踏ん張ってほしい」との思いで、コツコツと貯めてきた組合費などから、組合全店舗に支援金を配ったという。
弓削さんは「このポスターがお店とお客様との話題の一つになっているとの話を聞き、それだけでもうれしい。いつかコロナが収束することを願って商店街一丸となり、前向きに頑張っていきたい」と話す。