奇数月に年6回行われる、桂雀三郎一門による落語会「城北にぎわい亭」が3月11日、城北市民学習センター(大阪市旭区高殿6、TEL 06-6951-1324)で、昼と夜の2部構成で開催された。
企画運営者でもある同センターは「施設に多くの人に来てもらうため、落語の定席のようなものはできないものか」と、一昨年あたりから考えていたところ、ちょうど桂雀三郎さんも「近くに腰を据えて、市民の皆様の前で一門の勉強を続けたい」と奮起。両者と縁のあるアムジーミュージックオフィスが架け橋となり、昨年この定席が実現した。
一般的に2,000円とされる地域寄席が、この寄席は600円と格安(7回目より1,000円)。上方落語の人気と参加費の安さが重なって「おかげさまで1回目から応募者は300人を超えており、6回目を迎える今回は昼の部400人、夜の部323人、計723人の応募が集まった」と、同センター所長の加藤さん。応募者の中から抽選で1講演につき160人が選ばれることになっている。この日は昼の部153人、夜の部130人の計283人が会場を訪れた。そのうち約半分が初めての応募者という。「これからは抽選をせずに、参加したい人は全員参加できるような、いい方法を見つけられれば」(同)とも。
予算ゼロからはじまり、舞台もほとんど手作り。鳴り物も少しずつそろえているというこの定席。出演順は前座やトリが決まった年功序列ではなく、起承転結を考えたネタ順に並べられているのも楽しみのひとつ。今回の出演者と演目は、桂雀太さん「煮売屋」、桂雀喜さん「七度狐」、桂雀五郎さん「桜の宮」、トリは桂雀三郎さんの「三十石」。
これまでの定席を振り返って、雀三郎さんは「おかげさんで好評。抽選に漏れた方の方が多いということでとても申し訳ないが、落語がお好きな方にこんなにいっぱい入っていただけて大変いい雰囲気になっていると思う。広いホールやったらもっと入れるけど、落語というのは本来そんなに広い所でするもんじゃないから、やっぱりこれくらいの広さが一番いい。だからこそ、こういう機会がずっと続けばありがたいし、もっと増えてもえんちゃうかなと思う」と話す。
次回(第7回)もすでに80人~100人の応募が来ているという盛況ぶり。「老若男女が一緒に心の底から笑い合える機会が身近にあるのは素晴らしいこと。地域の名物として末永く続けていきたい」(加藤さん)というように、伝統芸能を生で見聞きするこうした機会へのニーズは、今後もますます高まっていきそうだ。
城北市民学習センター歌う落語家・桂雀三郎「ちりとてちん」にちなみ上方女流落語家が集結-新京橋商店街・ビギン寄席(京橋経済新聞)新京橋商店街で今年最後の落語会-「ちりとてちん」で偶然放映も(京橋経済新聞)