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大阪・森ノ宮のゲストハウスに「気まぐれカフェ」 主婦に出店スペース提供

カフェ「aie」パティシエの東野愛乃さん(右)、スタッフの吉岡沙絵さん(左)

カフェ「aie」パティシエの東野愛乃さん(右)、スタッフの吉岡沙絵さん(左)

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 大阪・森ノ宮のゲストハウス「カルペディエム」(大阪市城東区中浜3、TEL 06-6961-0444)内に5月9日、カフェ「aie」がオープンした。

タルトと焼き菓子のメニューは日替わり。この日は「レモンタルト」。

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 300坪の庭園を囲う築60年の古民家を改装し、11年前に開業した同ゲストハウス。店主のリバ美佐さん(56)が父親から建物を受け継いだ当時は「庭の木は生え放題、古びた建物は価値がない」と困惑したが、フランス人の夫から「外国人が訪れたい場所は、こういう古き良き日本を味わえる場所」と言われ、建物や庭を整備し外国人旅行者向けの宿泊施設にした。JR森ノ宮駅から徒歩15分と決して便利な立地とは言えないが、閑静な住宅街の中でローカルな日本を楽しみたい外国人旅行者に人気を集めているという。

 ゲストハウスには、リバさんの意向でカフェスペースを設けていたものの、長年適当な料理人がおらず、そば作りのワークショップや金曜限定の食堂などとして使用するだけだった。今回、そこに知り合いの主婦・東野愛乃さん(30)が同カフェを出店する形でようやく実現。年に2回敷地内で開催しているマルシェに出店していた東野さんの作るお菓子の味や、「子どもでも安心して食べられるものを」というお菓子作りに対する思いにリバさんが共感し、カフェで提供してみないかと持ちかけたのがきっかけだった。

 東野さんは2児の母。結婚するまではパティシエとして働き、店を持ちたいという夢を抱いてはいたが、子育ての忙しさで実現できずにいたところ、リバさんに背中を押され夢を実現。カフェスペースにリバさんが名付けていた「エフェメールカフェ」の「エフェメール」とは、フランス語で「かげろう・常にあるとは限らない」という意味で、フランスで「エフェメールカフェ」といえば、「店主の気まぐれで開いている店」のこと。「できる範囲でやってくれればいい」というリバさんの言葉で同店のオープンを決意した。

 カフェスペースは約10坪、席数は15席程度。昔からタルトや焼き菓子が好きだったという東野さんが作るのは、レモンクリームの上にメレンゲとピスタチオをのせた「レモンタルト」(400円)、「ドライいちじくとクルミのタルト」(350円)、旬のフルーツを使ったタルトなど。タルト生地は全粒粉を使い、ザクザクとした食感に仕上げる。コーヒー(ホット450円、アイス500円)は、カフェ業界では名前が知られる玉造(たまつくり)の焙煎(ばいせん)所「赤い実コーヒー」の深入り豆を使ったオリジナルブレンドを提供する。

 リバさんは「カフェは外国人宿泊者も利用しているので、日本人のお客さんには外国にいる旅人のような気分を味わってもらえれば」と笑顔で話す。現在は、東野さんの育児の合間を縫った時間帯で営業している。

 営業時間は14時~17時。土曜・日曜・祝日定休。

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