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被災地支援「ねがいごと、100こ。」プロジェクトが目標達成-講演で報告へ

「ねがいごと、100こ。」プロジェクトを企画した吉村大作さん

「ねがいごと、100こ。」プロジェクトを企画した吉村大作さん

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 大阪市鶴見区のフリーペーパー「ローカル通信」編集長の吉村大作さんが立ち上げた、東日本大震災被災地を支援する「ねがいごと、100こ。」プロジェクトが3月、100個目の目標を達成した。

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 同紙は1975(昭和45)年9月1日に創刊。新聞の折り込みとして毎月2回、約4万部を鶴見区全域に配布している。記事は鶴見区の地域活動や飲食店情報などを取り上げているが、東日本大震災後「大阪の鶴見区という被災者が知らない街でも、応援していることを知ってもらいたい」と吉村さんが同プロジェクトを立ち上げた。

 内容は、震災で遠のいてしまった被災者の夢や願いをかなえるもの。吉村さん単身での活動として100個限定の募集に、ブログやメールでさまざまな願い事が寄せられた。「津波で商売道具を失ったが理容室を再開したい」「孫に誕生日プレゼントを贈りたい」「部員全員でバスケットボールの大会に出たい」などの願い事を、ブログで支援者を募り資金提供などの協力を得て一つ一つかなえてきた。

100個目の願い事は、3月9日に達成。宮城県石巻市にある船越小学校校長からの「未来に向けて全校生徒で思い出を作りたい」というものだった。同プロジェクトが用意したのは、空色の封筒とタイムカプセル。全校児童15人が将来の目標を書いた自分宛ての手紙を封筒に入れ、全員で撮影した写真と一緒にタイムカプセルに入れた。学校は被害が大きくタイムカプセルを埋める場所がなかったため、児童の実家である神社の庭に埋めることになった。10年後に再び開ける約束をしたという。

「支援者がいたから100個達成することができた。願いがかなった時の皆さんの笑顔を見ると、やって良かったと思う」と吉村さん。今後は、同プロジェクトを通して経験したことや被災地で見たものを報告したいと講演依頼を募り始め、すでに申し込みが1件入ったという。「今回の震災を受けて、これから私たちが何をすべきかを伝えたい。そして継続的な支援を呼び掛けることができれば」と意気込みを見せる。講演料は、被災地への義援金に充てるという。

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