「列車脱線事故」を想定した合同訓練-JR西日本ら260人参加

重傷者から運び出す

重傷者から運び出す

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 福知山線列車事故の教訓を踏まえ、JR西日本が実施した大規模な合同訓練が1月27日、森之宮電車区構内で行われ、大阪府警、大阪市消防局、大阪医療センターなど関係機関ら260人が参加した。

福知山線事故犠牲者へ黙祷する参加者

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 「大阪環状線大阪城公園~京橋駅間で脱線事故が発生。乗客35人と運転士1人が負傷」という事故を想定して行われた同訓練。大きな非常汽笛を事故発生の合図に、JR職員が併発事故を防ぐため携帯用信号変換機を使用し隣接線の信号を赤に切り替えを行いながら各所に連絡。警察、消防隊、救急隊などが次々に到着し、同職員から事故内容・状況が伝えられると、消防隊や警察らが列車の窓ガラスを割り重症者から順に搬出を開始した。現場には設営が簡便なエアテントを設置、JR職員らは搬出された負傷者にトリアージと呼ばれる治療の優先順位付けを行い、軽症者を誘導したり、重傷者をテントに運び入れたりして、医療関係者が救護活動を行った。乗客や事故について各所が情報交換を行いながら乗客全員を救出し、本番さながらの合同訓練は終了した。

 閉会式で消防監の木村さんは「今回の合同訓練には2つの目的がある。一つは、事故が起こった時、実際に体を動かし何をするのかを検証するという事、もう一つは関係機関と連携し互いにどういった動きをするのか、またどのような情報を必要としているのかを知るという事。今回は実際の列車を使用してそれぞれの機関と合同訓練ができ、すごく有意義な訓練になった」と話した。

 JR職員らを指揮した京橋の柳生駅長は「規律を持っていい訓練ができた。まだまだ救出状況の情報交換など各所との連携が足りなかった部分もあった」と課題に触れた。

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