貴重な菓子コレクション一堂に-大阪歴史博物館で「お菓子の博物館」展

明治・大正・昭和初期の、お菓子にまつわるあらゆるコレクションを大規模に展示

明治・大正・昭和初期の、お菓子にまつわるあらゆるコレクションを大規模に展示

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 大阪歴史博物館(大阪市中央区大手前4、TEL 06-6946-5728)6階特別展示室で1月14日、特別企画展「お菓子の博物館─初公開・山星屋コレクション─」が始まった。

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 同展は、大阪で明治42年に創業した菓子卸売業大手「山星屋」(中央区)が収集してきた3万点を超える菓子関連のコレクションの中から、明治・大正・昭和20~30年代までのものを中心に400点を展示している。森永・明治・江崎グリコ・不二家といったなじみ深いメーカーはもちろん、さまざまなメーカーのレアな広告やポスター、看板、菓子容器、おまけ商品、キャラクター人形などのほか、販売台、おもちゃ、紙箱、金型、菓子木型に至るまで、工芸品・美術品としても価値のあるコレクションが並ぶ。中には江戸時代に使われた木製の菓子箱なども。

 同社の先代社長、小西昌夫さんとともにコレクションを集めた菓子文化研究会資料室・平田栄三郎さんは「菓子文化は消費文化で後世に残っていかない。それを永久に残すためにと先代の小西社長と一緒に昭和30年代ごろから発案した。あらゆる骨董地を歩いて一つひとつ自分たちの足で集め、『いつか知る人ぞ知る博物館を作ろう』と夢に見ていた。山星屋100周年の今年、ようやくそれが実現する。今となっては集めることのできないものもあり、メーカーにすら残っていない貴重なものもそろっている。各菓子メーカーや骨董屋にとってもたまらない展覧会になるはず」と自信を見せる。同社はこれまでもさまざまな企画展に出展協力してきたが、今回ほど大規模に展示するのは初めて。

 同館学芸員・村元健一さんは「お菓子は大人から子どもまで幅広く楽しめるテーマ。まとまった形で公開されることのなかった山星屋のコレクションを通して、日本の世相の変化、お菓子に対する思い出などを楽しんでいただける機会になるのでは」と話す。「展示品に関するパネル説明も今回は簡素にしているが、実はそれも展覧会の仕掛け」とも。

 展示コーナーの最後に用意した「お菓子の思い出コーナー」では来館者が自由に記入できるカードを用意し、お菓子にまつわる思い出や気になったこと、知っている知識を記入できるようになっている。「面白いカードは貼り付けて展示していくほか、展示品に関わる情報はそれぞれのコーナーに加えて立てていく」という。「長期間の展示なので、後になればなるほど充実した展示会になるのでは。春休み期間も挟んでいるので、ご家族で楽しんでいただければ」。

 開館時間は9時30分~17時。観覧料は、大人=600円、高大生=400円、中学生以下・大阪市内在住の65歳以上=無料。学芸員による展示解説=1月24日、2月14日・28日、3月14日・28日の14時から30分程度を予定。4月6日まで。

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