大阪・今福のスーパー「イズミヤ今福店」(大阪市城東区今福東1)のフードコート内に6月9日、インド料理店「Govinda’s(ゴーヴィンダス)」がオープンした。
心斎橋にあるインド料理店「Shama(サマ)」の2号店にあたる同店。ラクトベジタリアンと呼ばれる肉・魚・卵・タマネギ・ニンニクを使わない料理を提供する。
店主のシッダールタ・クマルさんは「インドでは、宗教の関係もありベジタリアンの人が多い。日本人にもインドで食べられている本格的なインド料理を食べてもらいたい」と話す。
メニューは、カレーにサラダ・ナン・ルイボスティーが付く「日替わりカレーセット」(500円)、アルティッキと呼ばれるすりつぶしたジャガイモにスパイシーな野菜を入れて揚げたものを挟んだバーガーと、サラダ・フライドポテト・ノンカフェインの豆乳チャイをセットにした「アルティッキバーガーセット」(650円)など。アルティッキは、インドではよく食べられているが、今回同店ではバーガーにアレンジ。誰にでも気軽に食べてもらえるように手頃な値段に設定したという。
インド北東部・ビハール州出身のシッダールタさん。シッダールタさんによると、同州は、インドで最貧困地域と言われており、シッダールタさんも幼い頃に家庭が貧しく教育をきちんと受けられなかった経験を持つ。「13歳の時、マザー・テレサの下でボランティアをしたことを機に、貧しい子どもたちのために何かしたいと思うようになった」と振り返る。子どもたちが貧困から抜け出すためには教育の充実が必要だと考えるシッダールタさんは、18歳の時に募金を集め故郷ビハール州ブッダガヤのスジャータ村に学校を建てた。
シッダールタさんとともに店を切り盛りする妻の章代さんは、旅行で同地を訪れた際シッダールタさんの懸命な姿に感銘を受け、活動に参加するようになり、数年後に結婚した。「日本からも何か支援できないか」とシッダールタさんと帰国したのをきっかけに、インド料理店を始めること決め、店の客にインドの現状を伝え、支援を募ってきた。
学校に加え、孤児院や村の無料診療所など、運営活動が広がりを見せる中、2店舗目の出店先は、自宅に近く保育園に通う娘の育児にも便利な今福にした。フードコート内の同店には、近所の高齢者や中高生など今までインド料理を食べたことのない人も多く来店するという。
店頭には、インドでの活動について書かれたパンフレットやチラシを置く。「インドでの活動のことについて聞かれたら、喜んで話す。中学生や高校生がここでインド料理を食べながら、活動にも興味を持ってくれたら」とシッダールタさん。章代さんは「ここも営業が落ち着いたら、支援に直接つながるようなセットメニューなども提供していきたい」と意欲を見せる。
営業時間は10時~20時。