大阪造幣局(大阪市北区天満1)で4月11日、大阪の春の風物詩として知られる「桜の通り抜け」が始まる。
同局の桜は、明治初めに泉布観の北側にあった藤堂藩の蔵屋敷から移植されたもの。品種が多いばかりでなく、他では見られない珍しい里桜が集められた。当時の造幣局長の「局員だけでなく、大阪市民の皆さんと楽しみたい」との発案から通り抜けが始まった。一般開放されるのは1週間。造幣局南門から北門にかけての全長560メートル。毎年国内だけでなく海外からも多くの観光客が訪れ、昨年は約62万人を集めにぎわいを見せた。
1993(平成5)年の110周年に桜の品種が偶然にも110品種だったことから、翌年から1品種ずつ増やす試みが始まった。131年の今年は、131品種、350本の桜を楽しむことができる。「大手鞠(おおてまり)」や「小手毬(こでまり)」など珍種とされるものも見られる。
同局の桜に「親しみを持ってもらおう」と毎年選ばれる「今年の花」には、八重桜の「松前琴糸桜(まつまえこといとざくら)」が選ばれた。「松前琴糸桜」は北海道松前町の浅利政俊さんが1959(昭和34)年、毯山家の庭にあった無名の八重桜の大木の種子から作り出した桜。花弁数は40~45枚で、開花後は紅色から淡い紅色に変化する。
今年は新たに「笹賀鴛鴦桜(ささがおしどりざくら)」が登場。「笹賀鴛鴦桜」は、大島桜に「オシドリザクラ」が交雑したものといわれている。花の淡い紅色で、花弁は50~60枚になる。
開催時間は10時~21時(土曜・日曜は9時から)。日没後には「ぼんぼり」によるライトアップが行われる。今月17日まで。