街ぐるみで音楽家を育てる-若手クラシック音楽家支援コンサート

次回は、12月公演となる野島さん(左)と、来年1月公演となる新實さん(右)

次回は、12月公演となる野島さん(左)と、来年1月公演となる新實さん(右)

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 大阪城ホール文化振興部(大阪市中央区大阪城3)は10月28日、大阪市主催の音楽事業「Music in the City 2007」の第1回コンサートを企画し、鶴見区民センター(鶴見区)小ホールで行った。

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 同事業は、2003年~2005年に行われた若手クラシック音楽家支援事業「大阪AIS(アーティスト・インキュベーション・システム)」、後継事業として昨年行われた「a2プロジェクト」に続き、積極的に街でアーティストを発掘し、街でアーティストを育てようという取り組みで、「より気軽に本格的な演奏に親しんでほしい」(大阪城ホール文化振興部)と実施された。

 同コンサートは「管楽器の魅力」と題して、新實紗季さん(クラリネット)と、野島玲菜さん(サクソホン)さんが出演。

 開演前には、サクソホンの野島さんと福富陽治さん(ヤマハ管楽器アトリエ大阪、元フルート経験者)による対談「大阪音楽塾~コンサートをより楽しむために~管楽器の魅力」も開催。管楽器の種類や扱い方などを紹介し、「トランペットをやっている子はにぎやか。クラリネットは真面目。サックスは目立ちがり屋。オーボエは頑固」という演奏者の体験的性格分析は会場から笑いを集めた。

 14時からは、クラリネットの新實さんとピアノ伴奏の小田裕之さんが登場し、「クラリネットの音色と日本の唄は合っていると思います」と解説し、山田耕筰の「待ちぼうけ」「この道」に続いて、「唱歌メドレー」、グノー「アヴェ・マリア」、ドビュッシー「アラベスク第1番」、「千の風になって」、モーツァルト「クラリネット協奏曲より第2・3楽章」を演奏。

 休憩後は、衣装を変えたサクソホンの野島さんと、ピアノ伴奏の泉里佳さんが登場。ピアソラ「タンゴ・エチュードより No.3」、加藤昌則「スロバキアン・ラプソディー アルトサクソホンとオーケストラのための」、ベッリーニ「オペラ『ノルマ』より 清らかな女神たちよ」、ボルヌ「カルメン幻想曲」を演奏。アンコールでは、新實さんと野島さんの競演も披露された。

 演奏後、野島さんは「今日はお客さんが近く感じられて、反応もよく雰囲気も応援されているようで温かかった。次回は妥協せず、より楽しんでもらえるよう自分の技術の向上を目指したい」と語ると、新實さんは「もっとクラリネットの魅力を伝えたい。今は悲しい事件などが多い世の中だが、クラリネットの木の温かい音を通じて、ほっとできる時間をお客さんと共有したい」と次回公演への意気込みを見せた。

 同コンサートの今後の予定は以下の通り。11月3日(阿倍野区民センター小ホール)=「弦楽器の魅力」と題して高田剛志さん(チェロ)と松浦梨沙さん(バイオリン)が演奏、12月16日(鶴見区民センター小ホール)=野島玲菜さ(サクソホン)、来年1月27日(鶴見区民センター小ホール)=新實紗季さん(クラリネット)、来年2月11日(阿倍野区民センター小ホール)=松浦梨沙さん(バイオリン)、来年3月23日(鶴見区民センター小ホール)=藤井隆史さん&白水芳枝さん(ピアノデュオ)と近藤智美さん(バイオリン)。

 料金は、一般=2,000円(当日2,500円)、学生・65歳以上=1,500円(当日2,000円)。来年3月23日のみ、一般=1,500円(当日2,000円)、学生・65歳以上=1,000円(当日1,500円)。問い合わせは、大阪城ホール文化振興部 Music in the City 係(TEL 06-4792-2061)まで。

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