よみがえる石山本願寺-大阪城の原点を見つめる映画、CG制作開始

作成中の石山本願寺のCG。ここから瓦などの細かい部分や色を付けていく

作成中の石山本願寺のCG。ここから瓦などの細かい部分や色を付けていく

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 大阪城が豊臣秀吉によって作られる前、そこには石山本願寺とその寺内町が広がりにぎわいをみせていた。その様子をCG(コンピューターグラフィックス)で再現するという試みが現在、大阪のクリエーターらによって進められている。

 制作中のCGは、来春公開予定の映画「雑賀の孫市」(山口雅和監督)で使われる映像。「雑賀の孫市」は戦国時代、織田信長と浄土真宗の門主顕如(けんにょ)が10年間にわたって繰り広げた石山戦争で、顕如の下で活躍した伝説の男・雑賀孫市(鈴木孫市)の生き様を描く映画。舞台となる石山本願寺とその周辺の様子をCGで再現することで当時の活気と臨場感を出すのが狙い。

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 制作の中心となっているのはデジタルハリウッド大学大学院教授の栩木(とちき)雅典さん。栩木さんは以前、京都の街並みを再現するCGを作成した実績を持つ。今回は同大卒業生に呼びかけて「雑賀VFXチーム」を結成し制作に取り組んでいる。メンバーたちは日々古い図表や文献を探り、さらに今に残る本願寺やその周辺の寺院を回って石山本願寺のデータを収集。

 「石山本願寺についていろいろ調べていくうちに、この地が水運の要で物流が盛んに行われていて、日本史上重要なポイントであったことを改めて感じている」と栩木さん。寺内町では楽市楽座のように自由にものの売り買いが行われていたという。同チームメンバーの一人、山壁りかさんは「石山本願寺と寺内町は今でいうとテーマパークのよう。その生活感と活気が伝わるようにしたい」と話す。

 CGは6月の完成を目指す。その後、役者たちとの合成作業が始まる。山口雅和監督は「この映画を通して古いものを生かして新しいものを生み出す日本人の力強さを表現したい」と意欲をみせる。

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