大阪の行政・経済界・市民が一体となって行う「水都大阪2009」が8月22日、始まった。大阪市中心部の水辺を舞台に52日間昼夜通して水の都・大阪を体感する試み。中之島東側をメーン会場に、市内の至る個所で水辺にまつわる催しを繰り広げ、期間中100万人の来場者を見込む。
天満橋のふもとにある八件家浜船着場では、午前10時から新鮮な魚や野菜や果物が売りに出る朝市や屋台街が連なるリバーカフェが登場。北浜オフィス街の高級フランス料理店「ル・ポンドシェル」は、この屋台のために開発した特製フラッペを380円で提供する。フルーツゼリーとフランボワーズソースをふんだんに使い生クリームで仕上げたもの。吹田市の帽子専門メーカー「キャナル」は、オーガニックコットンの手作り帽子(6,825円)を3,500円で販売するなど、同イベントならではの商品が数多く販売されている。
船着場の隣に先月オープンした水の駅「はちけんや」では、「大阪ステキ発見」と題された写真展が開催され、大阪府知事賞・市長賞を含む226作品が展示されている。すぐ前の大川ではカヌーやクルーズを体験する人たちでにぎわい、その様子を眺めながら飲食を楽しむ人たちが見受けられる。京都府京田辺市から家族で訪れた三浦千佳さん(26)は「随所に(噴霧器による)霧が出ていて涼しく昼間でも過ごしやすい工夫がされているのがいい」。都島出身の父・康二さん(56)は「こうして改めて大阪の川を見ると、わたしの子どものころより随分きれいになったと感じる」と懐かしそうに話した。
13時すぎ、八件家浜を訪れた大阪市の平松市長は「水都大阪は52日間で終わるものではなく市民の力で大阪・関西を元気にしていくキックオフだと思っている」と今後の抱負を語った。かつて「天下の台所」と呼ばれ水運の街として隆盛を極めた大阪が、水の都の意識を呼び起こし関西経済復興の起点となっていくのか。そのきっかけとして「水都大阪2009」の展開に注目が集まる。
「みんなの経済新聞ネットワーク大阪(梅田経済新聞・なんば経済新聞・京橋経済新聞)」では、9月19・20日の二日間、「小・中学生1日体験記者~水都大阪2009を取材してみよう」の参加希望者を募集している。詳細は募集ホームページで。