「六畳一間のシンデレラ」-京橋出身・宇都宮まきさんが初のエッセー集

前髪を切ったばかりの宇都宮さん

前髪を切ったばかりの宇都宮さん

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 吉本興業(中央区)の「吉本新喜劇」メンバーで、最近はグラビアなどにも活躍の場を広げる、京橋出身の宇都宮まきさんが、エッセー集「六畳一間のシンデレラ~押入れで育てられた私~」を初出版し人気を集めている。

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 宇都宮さんは「最初に『貧乏をテーマに書いてほしい』と言われた時は、正直言って私自身、貧乏だと思っていないのに、どうやって書いたら良いのだろうと悩んだ。それにテレビと違って文字は残るから、高校生や大学生の弟が何を言われるかというのも気になって。なので、貧乏かどうかはともかく、小さいころはこうでしたという明るい話題としてなら書けますと言って、タイトルにも『貧乏』と付けないでほしいとお願いした」と振り返る。

 「家族に内緒で書いていたけど、やはり最初に読んでほしかったのは家族。親が明るかったから、辛い思いをしたことは一度もないし、いじめられたこともなくて…。この本で感謝の気持ちを伝えたかった。書いたことで昔を思い出して、良い意味で『普通でなくて良かった!』と思った」と笑う宇都宮さん。

 「書いていたのは仕事が忙しくなってきた時期なので、寝る時間を削って書いて、しんどくてライターさんに入ってもらおうかと思ったことも…。でもライターさんが書いた賢い文章だと何だか違うと思って、くじけそうになりながら書いた。だから『本を読んで、もっと好きになった』『感動して泣いた』とブログに書いてもらってうれしい。これからも人生は長いのでいろいろあると思うけど、今まで間違ってなかったと(本を書いたことで)分かったし、悩み過ぎないで明るい未来があると自分を信じていたらそうなったので、これからも力を抜いて生きたい。落ち込んでいる人に『ボーっとした、こんな人もいるんやー』と思ってもらえたら」(同)とも。

 「仕事以外はいつも京橋で用事を済ませる」という京橋大好きな宇都宮さん。「小さい頃は、家の近くのターザン村(電車が廃線になった後の広い草むら)で木の実を食べたり段ボールで坂を滑って遊んだり、近所の公園で遊んだりした。昔も今も京橋のダイエーは大好きで用がなくても行ったりする」と、意外に「やんちゃ」な面を見せる。

 麒麟の田村裕さんの「ホームレス中学生」の第2弾としてワニブックスから発売された同書。宇都宮さんは「今は芸人本がブームだが、出版されているのは有名な方ばかりなので本当に恐れ多い。私は無名なので地道にサイン会などをして売っていきたい」と最後まで謙虚な姿勢を見せた。

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