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カニがすむ自然豊かな池でハスの花が満開

ひょうたん池のハスの花 毎年7月初旬ごろ満開になる 写真は7月7日午前中

ひょうたん池のハスの花 毎年7月初旬ごろ満開になる 写真は7月7日午前中

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 JR東西線大阪城北詰駅の毛馬桜ノ宮公園の南東、大川沿いに位置するひょうたん池でハスの花が満開になった。

都会の一角のハス池

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 毎年初夏に池一面を覆うハスの花が開き、散歩の客が花見に訪れている。今年は6月後半から咲き始め、現在もつぼみが多数ある。都島区在住の40代女性は「仕事の合間をぬって今年も見に来た」と蓮の写真を撮った。

 ハス池には、タニシ、メダカ、ヌマエビ、トンボ、トカゲ、カモなど多くの生き物が生息している。池は大川とパイプを通してつながり、干満の差で水を引いている。川から新鮮な水が供給されるため、約1800 平方メートルの豊かなビオトープを形成している。

 池の周囲では、甲幅3、4センチほどに達する在来のベンケイガニ科の一種、クロベンケイガニがうごめく。池周りの地面に直径2、3センチほどの巣穴があちらこちらに空いており、中からカニが姿をのぞかせる。大阪市立自然史博物館の石田惣主任学芸員(49)は「淀川や大川の下流の汽水域に生息し、地面に穴を掘って暮らす。雑食性で死んだ魚や貝、泥の上の有機物などを食べる。夏はクロベンケイガニの抱卵期。抱卵中の雌が観察できるかもしれない」と話す。

 大阪府立環境農林水産総合研究所・生物多様性センターの山本義彦主任研究員(43)はカニとハス池について「大川は護岸工事により海岸がコンクリートで覆われている。川沿いのハス池がすみかとして適しておりクロベンケイガニが集まったのではないか。ハス池があることで、景観として人が管理し、そこに生息する生き物も守られ自然が豊かになる」と話す。

 桜の名所ともいわれる同公園。鶴見緑地公園管理事務所の二出川広行さん(57)は「都会の中のオアシス。春は桜、夏は蓮と、花の移ろい、そして生き物など自然を楽しんでほしい」と呼びかける。

 公園の生き物の捕獲は大阪市の条例で禁止されている。

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