都島区の印刷会社「坂井印刷所」(大阪市都島区友渕町3)が、NFCやデザインQRコードのデジタルツールを活用して、印刷物とウェブつなぐサービス「S+CONNECT(サカイプラスコネクト)」を始めた。
NFC(Near Field Communication)は、おサイフケータイや電子マネーなどで活用されている近距離通信技術の一つ。NFCやデザインQRコードが付いた印刷物にスマートフォンをかざすだけで簡単にデジタルコンテンツにアクセスできる。同社企画制作室の船越大祐さん(42)は「元々ARやQRなど印刷物からネットにつながるものはあったが、コンテンツ制作などにお金がかかり、お客さん側もアプリを新たにインストールしなければいけない場合が多く『使いにくい』という声をよく聞いていた」と話す。「NFCだと最近の機種ならアプリを使わずスマートフォンをかざすだけでアクセス可能で安価。チラシを配る必要なども無くなるので、非接触で情報を知らせることができる」。
同社が提供するNFCタグは直径2.5センチ程度で印刷物へ埋め込んだり、シールとして添付したりすることができ、デザインQRコードは従来のモノクロQRコードとは異なり、背景を選ばないためデザイン性が高くなる。「NFCの料金は、タグに情報を埋め込む手数料などを含め基本料金が3万円。デザインQRコードは基本料金が5,000円」と船越さん。ログ解析などは別途料金で、ユニークユーザーやページビュー、SNS共有数など、印刷物からの流入を測定することができるという。
船越さんは「『印刷物』というメディアを残していきたい。印刷物とネットをつなぐことで双方が活性化することを考え、社内で印刷物以外のメディアにも対応できるようにした。クロスメディアに力をいれていきたい」と意欲を見せる。