京橋のライブハウス「ベロニカ」(大阪市城東区蒲生1、TEL 06-6939-9292)が、オンラインによるライブ配信を始めた。
2005年(平成17)にオープンした同店。ライブステージとレストランを備え、「エンターテインメント ダイニング」としてアーティストの表現の場だけでなく、ウェディング、企業レセプションなど多彩な目的で利用されてきた。新型コロナの影響で4月8日から5月末まで休業していた。店長の長谷川明日香さんは「もうコロナ前に戻ることはない。新たな手を打ち出さないと」と話す。
2013(平成25)年、18歳の時、アルバイトとして同店で働き始めた長谷川さん。3年後に正社員となり、今年4月に店長を任された。店長に就任して直後の休業。長谷川さんは「正直どうしたらいいか分からない気持ちと、ベロニカがつぶれるかもしれない不安があった。とにかく何か動かなければならない気持ちで、休業期間中はできることは全てやった」と話す。
休業の時、4月16日から6月15日までクラウドファンディングで継続のための支援金を募った。アーティストたちからも支援を呼び掛ける動画が寄せられた。結果、298人から2,617,000円の資金が集まった。6月20日には同店を応援するミュージシャンたちが復活支援を目的とした無観客配信ライブを開催。配信観覧チケットや投げ銭の売り上げを全て店に寄付した。長谷川さんは「これだけ多くの人が店を支えてくれるとは7年間働いてきたが、思いもしなかった。お客さんやアーティストの皆さんからのひと言ひと言に励まされた」と話す。
同店は新たな戦略としてライブ配信に力を注ぐ。映像の専門家に1人だけ入ってもらい、カメラ、音響、照明を社内スタッフが担当する。7月3日には沖縄マジシャンのデビッドちんすこうさん、大ドジ芸人あざーす・のずさんの2人によるマジックコンビ「のずちん」が1時間にわたり無観客配信マジックショーを行った。「動画配信でもマジックや大道芸の良さが伝えられるんだと実感した」と長谷川さん。「本番を繰り返しながらブラシュアップして、自分たちにしかできないスタイルを身につけていき、支えてくれた方々に恩返しをしたい」と意気込む。
今後の動画配信は7月11日「Fujiko×内川樺月 2Man プレミアム配信Live」、25日「Yes Happy!、ミライスカート+、ミケネコガールズ」。いずれも来場者限定で有料配信する。