大阪市城東区で生花店と音楽スクールを経営する小林奈美さん(39)が5月1日、フリーランスの音楽家をサポートする非営利団体「一般社団法人日本音楽家支援協会」を設立した。
同協会がフリーランスの音楽家ら82人に実施したアンケートによると、新型コロナウイルスの影響で5割を超える人が「全ての仕事が無くなった」と回答した。政府はフリーランスを含む個人事業主に最大100万円を給付する方針だが「特定の事務所や楽団などに所属しない音楽家の支払いは請求書や領収書などのやりとりが発生することが少ないため、コロナの影響で収入が減ったことを証明することが難しく公的支援を受けられない人たちも多い」と小林さんは語る。
もともとピアノの演奏家であり、ライブハウスの経営なども手がけた経験を持つ小林さん。「日本ではまだまだフリーランスの音楽家に対する待遇が十分ではないと感じている。今回のコロナの件だけではなく、将来的に音楽家を目指したいという子どもやその家族が安心して夢に向かっていける環境を当協会の活動を通して作っていきたい」と話す。
協会では今後、講師を招きフリーランスに必要なビジネススキルを学べる講習会や、会員同士の交流の場を設け仕事の斡旋や仕事仲間のマッチングなどを計画。他にも福利厚生(賛助企業などによる音楽施設の各種割引)や各種保険(損害補償、給料補償、弁護士費用負担保険など)の提供も行っていく(一部有料)。小林さんは「フリーランスの入り口から出口までをトータルでサポートしていきたい。将来的には定期演奏会やweb会議ツールを使った生演奏会も予定している」と、全国の音楽家に向けて登録を呼び掛けている。
協会への登録は無料。フリーランスであれば音楽家でなくても登録可。問合せは06-7503-8705(日本音楽家支援協会)、またはLINE(ID :kobayashinami)まで。