京橋の立ち飲み店「とん両」(大阪市都島区東野田町3)が新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言を受け、4月7日から営業時間16時から23時を13時から19時に切り替えた。
2009年6月にオープンした同店。店主の本田亮一さん(45)は、開店当時は雇われの店長だった。それから11年。運営会社が変わるなど紆余曲折を越え今年からオーナーとなった。その矢先に「コロナの影響で売上げは通常の3割以下。長年貯めたお金を全てアルバイトや家賃の支払いに充てた」という。
4月に入りさらに厳しい事態に。飲食店の自粛ムードが高まり「営業していてはいけないと思うようになった」。いよいよ休業かと考えていた通勤電車の中で、常連客が「頑張れ」「続けてほしい」とSNSで発信してくれているのを見て涙が止まらなかったという。「応援してくれるお客さんがいる限り続けてみよう」と営業時間を昼型に切り替えて続けることにした。
「普段ひと言も話さないお客さんが帰り際に『頑張って』と声をかけてくれたり、ご自身も大変なタクシー運転手さんが寄ってくれたり、京橋のお客さんに支えられていると改めて感じる」と本田さん。「先が見えない辛さはあるが、大変なのは自分だけでないのでやれるところまでやってみる」と語る。