JR京橋駅(大阪市城東区新喜多1)で8月14日、「第65回京橋駅空襲被災者慰霊祭」が行われた。
例年であれば慰霊碑がある駅南口前で行われるが、今年は台風による風の影響で、駅構内の会議室で行われ、約270人が参加した。
1945年(昭和20)8月14日、爆撃機B29が兵器を製造する「大阪砲兵工廠(こうしょう)」を集中爆撃した際、近くの京橋駅にも1トン爆弾を数発落とした。被爆犠牲者は500名とも600名とも言われている。太平洋戦争終戦前日の悲劇であった。
慰霊祭に参加した女性(80)は当時7歳で、この空襲で大阪砲兵工廠で働いていた兄(当時24歳)を亡くした。「爆撃で兄の遺体は跡形もなくなり、名前が書かれた『木切れ』しか手元に戻ってこなかったので泣きました。今でも優しい兄の顔を覚えている」と振り返った。
慰霊碑には地元・聖賢小学校の児童たちによる千羽鶴も供えられた。児童代表として6年生の堂後優香さん、平田紗雪さん、村井美海さん、竹中実陽さん、濱田明莉さんが平和の願いを込め「平和はみんなで作るもの。悲惨な戦争を起こさないために次の世代に、平和の大切さや命の尊さを語り継いでいきたい」と作文を読んだ。
慰霊祭は来年も8月14日11時に京橋駅南口駅前で行われる予定。