居酒屋「東」(大阪市都島区東野田町3)が6月1日、京橋駅東側の商店街にオープンした。
九州料理を主に扱う同店。「何が何やら分からんままここまできた」と店主の東実(ひがしみのる)さん(47)は振り返る。東さんは今年4月に閉店した京橋の九州居酒屋「田舎や」で働いていた。4月になってから急きょ閉店が決まり、今後の動向を考えていたところ、近隣の飲食店主から「近くに良い店舗物件があるから見てみては」と声が掛かったのがきっかけで、あれよあれよという間に話しが進み、気が付くと自分が6月から店を持つことになったという。
中学を卒業後、16歳から飲食業界に飛び込んだ東さん。以来、いけす料理、ホテルレストラン、居酒屋などを渡り歩きこの道一筋で生きてきた。「今回、開業できたのは周りのたくさん人たちに支えられたからこそ」。閉店した「田舎や」の設備やメニューを引き継ぎ、仕入れ先も協力してくれた結果、準備からわずか1カ月程でのスピード開店にこぎ着けた。
オープンして1カ月。訪れる客の中には近隣の居酒屋から紹介されたという人も。「京橋の飲食店には、顧客に知人の店を紹介し合うという習わしがある」という。その客たちが「京橋では椅子はなくても良い」「看板は遠くから見えやすいように扉に対して直角に」などいろいろな意見を出してくれるという。それを取り入れ、カウンター10席のうち5席は「立ち」か「座り」か選べるようにし、立ち飲みを選ぶとビールの単価が通常300円から280円に安くなるシステムにした。
メニューはお薦めの「熊本・厳選馬刺し」(680円)、「宮崎・赤鶏のたたき」(500円)をはじめ、「沖縄・ゴーヤチャンプルー」「長崎・皿うどん」(以上580円)など「田舎や」で培った九州料理が並ぶ。「田舎や」からの常連客という50代の男性は「店の運営は不慣れだけど、料理は最高。九州旅行している気分」と目を細める。
今後の意気込みについては「始まったばかりでよく分からない。とりあえずおいしいものを食べてもらえたら」と笑う東さん。「新しいお客さんにもぜひ来てほしい」と呼び掛ける。
営業時間は13時~22時(ラストオーダー)。火曜定休。