第55回芸術選奨・文部科学大臣賞を受賞した長唄三味線の名手、今藤政太郎さんがプロデュースする「和の音を紡ぐ」の第2回公演が2月9日、いずみホール(大阪市中央区城見1、TEL 06-6944-2828)で開催される。
今後の邦楽界の進むべき道を模索するべく挑戦的に企画された今回の公演。クラシック専門のコンサートホールとして使用される同ホールで、純粋に邦楽のみが聴ける公演として話題の演奏会となっている。
今回は、今藤さんが約25年前に作曲した『「四季」-篠笛によせて-』を演奏。木管楽器である篠笛を中心に、三味線、太鼓、箏に声を合わせて、日本の四季の美しさを奏でる。中でも、笛の達人で、長唄や古典の演奏会、テレビ、ラジオ、CD、歌舞伎などにも出演する中川善雄さんの音色に注目が集まる。
三味線の作曲だけでなくテレビコマーシャルでの音楽も手がける、常磐津文字兵衛さんの作品「黄泉比良坂」もプログラムに組まれている。日本神話の中で、冥界と現世の狭間とされる黄泉比良坂で起こるイザナミとイザナギの伝説をベースに、現代の男女が織りなす異色作として、オリジナルの世界観が繰り広げられる。
公演最後に披露されるのは「二人椀久」。この歌は音曲としては浄瑠璃に作品があり、長唄としては江戸時代から演奏されている古典の名作とされる。今回は、人間国宝でもある東音宮田哲男さんが迫力ある歌声を聴かせる。
同ホール企画部の森岡さんは「残響時間の長いクラシック音楽ホールでは、切れの良い邦楽は不向きと思われるかもしれない。実際その辺りの工夫も大変だったが、結果とても迫力のある澄んだ邦楽の響きが生まれた。必聴です」と話す。公演は16時から。料金は、一般=5,000円、学生=2,500円。問い合わせは、同ホールチケットセンター(TEL 06-6944-1188)まで。
いずみホール室内オーケストラで聴く新しいベートーベン-いずみホールで演奏会(京橋経済新聞)15年間ほぼ完売の人気-いずみホール・ランチタイムコンサート(京橋経済新聞)「ウィーン・フィル」の9人が来日、いずみホールで新春コンサート(京橋経済新聞)