大坂の陣から400年を記念して行わるイベント「大坂の陣400年天下一祭(てんかいちさい)」の記者発表が6月11日、大阪市役所で行われ全容が明らかになった。
同イベントは、2014年10月~12月にかけて開催する「冬の陣」と、2015年4月~9月に予定する「夏の陣」の2つのコアイベントと、大阪城や大阪府内各市町村などで行われる関連イベントで構成する。期間中は、大阪城公園内の至る所に特設ステージや出展ブースを設け、さまざまな催しを展開。広報事務局の貴田恵美さんは「期間中、大阪城に来ていただければいつでも何か行われている状態」という。
大阪の陣は1614年の「冬の陣」と、翌1615年の「夏の陣」の2度にわたり、徳川方と豊臣方の間で戦われた。徳川方は1600年の関ヶ原の戦いで勝利を収めたものの、なお大坂で覇権を握る豊臣家を滅ぼそうと戦を仕掛けた。結果、1615年5月8日に大坂城は落城し名実ともに徳川の天下となっていく。実行委員の大阪城天守閣・北川央館長は「大坂の陣が日本の歴史においていかに重要な出来事であったかを多くの人に知ってほしい」と話す。
天守閣北側に架かる「極楽橋」付近では、3D画像などの最新技術を用いて400年前を体感できる「SAMURAIミュージアム」や、武将や忍者の衣装レンタルもする「武将体験hall」を設置する。天守閣展望台では、タブレットを街並みにかざすと大坂の陣の軍勢配置が現代の街並みに重ねて浮かび上がるARアプリによる仕掛けも。
プロジェクトの総予算規模は約8億8,000万円。そのうち大阪府が2,821万5,000円、大阪市が5000万円を負担する。同プロジェクト実行委員会の橋爪紳也委員長は「今こそ官民が一体となって侍の文化を国内外へアピールし、大阪城が日本を代表する風景となるようにしたい」と意気込む。