ホテルニューオータニ大阪(大阪市中央区城見1、TEL 06-6941-1111)のフランス料理店「サクラ」は現在、高齢者にもフレンチを楽しんでもらうための「摂食支援プロジェクト」を行っている。
同店では以前からそしゃくに不安を抱える高齢の客などに対し、メニューを食べやすくアレンジして提供するなどのサービスを行っていたが、今夏から「摂食支援プロジェクト」として取り組みを強化した。同店の常連客だった歯科衛生士の篠原のり子さんからアドバイスを受けたことをきっかけに、同プロジェクトの一環としてスタッフ向けに講習会を実施。食具の提案だけでなく、膝掛けを椅子の肘置きに畳んで置くことでテーブルと肘掛けの差を解消し食事をしやすくなる、などサービス全般について講習会を行った。同店マネジャーの田中章裕さんは「このような心配りが大事だとあらためて思った。迷惑を掛けたくないと外出を控える人も多いので、そういう人の手伝いをしたい」と話す。
同店ではオーダーに応じて、肉料理は肉自体の味を味わえるように工夫しながら細かく切り、付け合わせの野菜もピューレ状に食べやすくして提供する。「高齢者向けに柔らかい調理を心がけ、個人の体調に合わせ切り方や大きさも工夫、食材の持ち味は生かした調理方法にしている」と話す料理長の永井義昌さん。「家族と同じメニューで、素材の形状を変えたりすることで一緒に食べる楽しみを味わってもらったり、食べる意欲につなげたりしてもらえたら」とその思いを語る。
研究病院や福祉施設でも利用されている「摂食回復支援食」も提供する。田中さんは「ご予約いただければ用意させていただくので、お気軽に」と笑顔で話す。
営業時間は11時30.~14時30分、17時~21時。月曜定休(祝日・振替休日の場合は営業)。