大阪・桜ノ宮で煎茶会-煎茶の祖「売茶翁」没後250周年で

「献茶式」の様子

「献茶式」の様子

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 大阪の「藤田美術館」(大阪市都島区網島町、TEL 06-6351-0582)で4月21日、煎茶の祖・高遊外売茶翁(こうゆうがい ばいさおう)没後250年などを記念する「青湾の碑顕彰献茶式並びに煎茶会」が行われる。主催は「小笠原流煎茶道」(兵庫県芦屋市)。

煎茶道具点前飾り

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 「千利休」が「わび茶の祖・茶聖」と称されるのに対し、「煎茶の祖・茶神」と呼ばれるのが「売茶翁」。売茶翁は、禅僧として訪れていた長崎で煎茶を学んだ後60歳を過ぎてから売茶業を始め、茶が上流階級の飲み物だった時代に喫茶の風習を庶民にまで広めた茶人。京都鴨川のほとりに「日本初の喫茶店」といわれる茶店を構えたことでも知られる。

 1862年の100回忌には、売茶翁の精神を伝え広めようと南画家の田能村直入(たのむらちょくにゅう)や当時の文人墨客らによって大阪淀川下流一帯(青湾)の地に「青湾の碑」が建てられ、来客1200人という煎茶史に残る大茶会「青湾茶会」が開かれた。

 今年は売茶翁没後250周年、「青湾茶会」150周年に当たるのを機に、「大阪に縁のある煎茶文化を見直し、地域文化の振興や観光スポットとして位置付けていきたい」と同茶会が企画された。

 当日は、毛馬桜之宮(けまさくらのみや)公園内「青湾の碑」前で小笠原秀道家元、門下生による献茶式を行うほか、一般客200人ほどを対象に煎茶会2席を予定。

 小笠原流煎茶道の家元嗣・小笠原秀邦さんは、「最近はペットボトルの普及により、急須でお茶を入れて飲む人が少なくなってきた。煎茶文化は喉の渇きだけではなく心の渇きも潤す総合文化。煎茶を通じて心の潤いを取り戻してほしい」と話す。「当日会場に来ていただければ参加できるのでぜひ」とも。

 献茶式は、10時~10時30分、観覧自由。煎茶会は、12時~16時。茶券料金は「藤田美術館内茶室本席」=2,000円、「藤田美術館内ホール席」=1,500円。

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