大阪を代表する歴史的洋風建築「泉布観」(大阪市北区天満橋1)が3月29日、3年ぶりに一般公開された。
国道を挟んで大阪造幣局と隣接する同館は1871(明治4)年、創業当時の造幣局の応接所として建てられた。白いしっくい塗りの2階建て、総レンガ造りで、周囲にベランダを巡らせた「ベランダ・コロニアル」様式の同館は国の重要文化財にも指定されている。室内は天井が高く、暖炉やシャンデリアなど優雅な装飾が施されている。
大阪市が管理する同館は、これまで毎年春分の日前後に3日間一般公開してきたが、3年前に建物の老朽化に伴う改装工事を機に公開を休止していた。今回は同じ敷地内に立つ「旧桜宮公会堂」が4月から結婚式場としてリニューアルするための工事が終了したのに合わせ、「泉布観」「旧桜宮公会堂」の同日公開に踏み切った。
10時の公開開始時間には多くの観光客が訪れ、生まれ変わった同館を見て「きれい」などと見入っていた。7時から並ぶ客の姿もあり、公開への関心の高さがうかがえる。
旧桜宮公会堂は1935(昭和10)年に明治天皇記念館として建設され、正面玄関が国の重要文化財に指定されている歴史的建造物。ウエディングプロデュース・レストラン運営のノバレーゼ(東京都中央区)が事業を受託し、結婚式場兼レストランとして再建した。
格子天井やジョージアン様式のアーチ窓を生かした披露宴会場をはじめ、ガラスブロック9000個を使って作られたチャペルなどが誕生。大川沿いの桜並木も一望できる造りになっているが、この時期の挙式は予約ですでに埋まっているという。グランドオープンは4月15日。
公開時間は10時~17時。観覧無料。今月31日まで。