大阪歴史博物館(大阪市中央区大手前4)で開催されている特別展「日欧のサムライたち-オーストリアと日本の武器武具展-」の来場者数が4月13日、1万人に達した。
大阪城とオーストリアのエッゲンベルク城の「友好城郭提携」3周年を記念し、大阪歴史博物館と大阪城天守閣が合同で企画された同展。2006年、オーストリアのエッゲンベルグ城の一室に飾られていた絵画が古くなったので修復作業を行ったところ、かすんでいた画の中に大坂城と思われるものが浮かび上がり、豊臣時代の城下町を描いたびょうぶであることが明らかとなった。それを機に、大阪市とシュタイヤーマルク州立博物館ヨアネウムとの間で3年前、同提携が結ばれた。絵が飾られていた部屋はそれまで「インドの間」と呼ばれていたが、その後「日本の間」と改められたという。
展示内容は、オーストリアからはヨアネウム博物館などが所蔵する神聖ローマ帝国の16~17世紀の武器武具や、当時のエッゲンベルグ城の姿や戦闘の様子を伝える版画など46点。露出展示も多く、当時使われていた甲冑(かっちゅう)などを360度から見ることができる。日本からは、大阪城が収蔵する室町時代から江戸時代を中心とした合戦図びょうぶや武器武具38点。真田幸村が実際に使用していたとされる甲冑や豊臣秀吉が所用していたと伝わる陣羽織などが並ぶ。同時代の東西の歴史や戦闘方法などの比較展示も行う。
「日本と西洋の同じ時代の甲冑を比べて見ることができる初めての機会なのでお見逃しなく」と学芸員の大澤研一さん。3月24日の開催以来順調に来場者数を増やし、この日早くも1万人に到達。歴史ブームもあってか歴史好きの「歴女」と呼ばれる若い女性客も多く見受けられるという。
開館時間は9時30分~17時(金曜は20時まで)。火曜休館。入館料は、大人=1,000円、大学生・高校生=700円、中学生以下無料。5月6日まで。