天満橋の公共空間で「能」のストリートライブ-「能離れ」食い止め狙う

2008年4月に中大江公園(中央区)で実施されたストリートライブ能の様子

2008年4月に中大江公園(中央区)で実施されたストリートライブ能の様子

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 山本能楽会(大阪市中央区)は3月30日、天満橋の京阪シティモール(中央区)で「ストリートライブ能」を上演する。

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 「ストリートライブ能」とは公共空間で能を公演し、「不特定多数の人に偶発的に能をアピール」するもの。京阪シティモールのほか、関西国際空港、柴島浄水場、高津神社(以上28日)、中大江公演(4月3日)など市内各所でも行う。2007年8月の世界陸上大阪大会前夜祭の際にホテルニューオータニ大阪(中央区)のロビーでの上演をきっかけに、これまでに約30回を開催、約1万人を動員してきた。

 「ストリートライブ能」公演の背景には、日本人の「能離れ」がある。同会の山本佳誌枝さんは「あるアンケート調査でも、能を見たことがある人は1割にも満たないとされている今、能は能楽堂の中でじっと待っているのではなく、自ら観客の中に飛び出していく必要がある」と思いを語る。

 京阪シティモールでは能の楽器体験や造形遊びを通して「創造的な能の世界観」を体感できる「高砂(たかさご)」を上演。内容は、10分間の能の解説・説明の後、能の楽器体験、小学生50人による公開アートワークショップ、半能「高砂」の上演を行う。

 「能の魅力は生(ライブ)で見てもらうことに尽きる」と山本さん。「難しいとされる能だが、楽器の持つ魂に響くビートや能装束の色彩の豊かさ、謡の生の声の響きと詞章の美しさは日本人の遺伝子に呼応し、忘れていた古来の美意識が呼び起こされるとこれまでの公演での観客の反応を通して実感している」とも。

 上演は15時~18時。無料。

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