「ツール・ド・水の回廊~ドラゴンボート市民水上ウォーク」の試験走行が6月6日、大阪市内の河川で行われた。同企画は、8月22日から開催される「水都大阪2009」(実行委員会=大阪市中央区天満橋京町1)の企画一環。
ドラゴンボートは古代中国にルーツがあると言われる手こぎ舟による競漕(きょうそう)のことで、現在は世界統一のルールを持つスポーツ競技として、アジアをはじめ欧米など世界各国で大会が開かれている。「ツール・ド・水の回廊」は、市民からこぎ手を募集して都心の河川で体験してもらいドラゴンボートの魅力をアピールしようというもので、大阪府ドラゴンボート協会などが企画している。
今回の試走は9月20日・21日に予定されている本番を前に、安全な運航方法やコースの確認のために実施された。普段は競技に用いられている長さ12メートル、幅1.15メートルのドラゴンボートに21人が乗り込み、八軒家浜港から大川、土佐堀川、東横堀川、道頓堀川、尻無川、木津川など大阪都心の河川を約3時間かけて走行した。
「トン、トン、トン」と規則正しい太鼓の音が都心の川面に響くと、リズムに合わせて20人が船をこぎ進めるドラゴンボートが、史上初めて大川から道頓堀川・東横堀川の「水の回廊」に船を進めた。
太鼓の音に気付き、陸から手を振ったり拍手を送たりする見物人も多くあり、「試合と違った声援をもらって、とても面白かった」と参加者たちは満足顔。「意外と水がきれいで、今までの大阪の川のイメージが変わった」という声もあり、水面が近い手こぎボートならではの体験を楽しんでいた。安全面でポイントとなっていた水門の通航や船との行き交いも問題なく行われた。
「競技としてではなく、まずはジョギングやウオーキングのような感覚でドラゴンボートに親しんでほしい」と話すのは同協会理事の岸田文夫さん。「こぎ手の息が合うとぐんぐん進む。ぜひ乗船して、そうした心地よさを味わってほしい」とドラゴンボートの魅力をPRする。
「ツール・ド・水の回廊~ドラゴンボート市民水上ウォーク」は9月20日・21日、各2回ずつ実施する予定で、小学生以上ならば参加できる。詳細なコースや参加方法は、随時ホームページで告知していく。