京橋駅空襲被災者慰霊祭-惨事は想像を優に超えて

参列には、犠牲者の遺族、地域住民など多数の人が参加した

参列には、犠牲者の遺族、地域住民など多数の人が参加した

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 大阪市城東区のJR西日本・京橋駅南口で8月14日、第54回目となる京橋駅空襲被災者慰霊祭が開催された。同日は34度を超える猛暑の中、遺族や地元の小学生ら約250人が集まり参列した。

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 京橋駅空襲とは1945年8月14日、太平洋戦争終焉の前日に起きた爆撃のこと。現在の大阪城公園を目標に米軍のB29が空襲を行った際に、一部が目標を外れ国鉄・京橋駅に落下、周辺は一瞬のうちに焦土と化した。あちこちに飛び散る手足や肉片、瓦礫の山に埋もれる死体、京橋駅周辺はまさに断末魔の叫びが飛び交う生き地獄そのものとなった。

 同惨事による犠牲者の数は現在二百数十人とされているが、遺体はおろか、遺品すら発見することのできなかった犠牲者は数知れず、実際の被爆犠牲者の数は500人~600人にものぼるといわれている。

 京橋空襲を体験した生存者代表、京橋駅慰霊祭世話人会会長の京極利明さんは、「中学生だったあの日、今のOBPから火柱が上がるのが見えた。必死になって逃げてるうしろにも焼夷弾(しょういだん)が落ち、悲惨極まりなかった。この京橋駅で何百人の方々が惨殺されたという恐ろしい事実を、忘却の彼方に押しやることはどうしても避けなければならない。私が見たことは未来永劫伝えていかなければならない」と語った。

 けして風化されてはいけない過去の事実。参列者は終戦のわずか1日前に奪われた多数の尊い命を惜しみ、未来永劫の平和への祈りを込めた。

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