第138回芥川賞を受賞した「乳と卵」(1,200円、文藝春秋)が2月22日、全国の書店で発売された。作者の川上未映子さんは、京橋(城東区)の出身。高校卒業後、京橋の京阪モールの書店で2年半にわたり、朝から夕方までフルタイムのアルバイト店員として働いていたという。
京阪モールの書店は今では紀伊國屋書店京橋店(大阪市都島区東野田2、TEL 06-4801-9255)の1店だけ(当時は別の書店だった)。同店の佐藤整店長は「地元出身の芥川賞作家が誕生し、しかもその方がこの京阪モールの書店で働いていたなんて」と、同店では早速関係者に当時の川上さんを知る人がいないかを聞き込みに回ったが、今のところまだ巡り会えていないという。
「乳と卵」は、姉・巻子が東京に住むわたしのもとへ娘を連れて大阪から豊胸手術をしにやってくるというストーリで、巻子は京橋のスナックで働くホステスという設定になっている。京橋が描写されているのは、16~17ページ。「西岸良平さんの『三丁目の夕日』は東京の下町、川上さんの作品を通して大阪の下町・京橋を全国の読書家に広めていけたらうれしい。京橋の街全体で応援していきたい」(同)とも