大阪歴史博物館(大阪市中央区大手前4)で現在、特別展「幽霊・妖怪画大全集」が開催されている。
江戸時代以降、幽霊や妖怪は文学や芸術において盛んに取り上げられ、多くの作品が残されている。それらを精力的に収集したのが、美人画などの日本画家として活躍した吉川観方(よしかわ かんぽう、1894~1979)。収集品は福岡市博物館に所蔵されている。同展では、その中から特に優れているとされる作品と、同館が独自に集めた大阪ゆかりの資料約200点を展示。開催期間を前期と後期に分け、約3分の1の作品を途中で入れ替える予定となっている。
展示は「骸骨」「幽霊画の世界」「妖怪画の世界」「大阪の幽霊と妖怪」の4つのテーマで構成。江戸時代に活躍した伊藤若冲(じゃくちゅう)や円山応挙(おうきょ)、個性的な浮世絵師として知られている歌川国芳(くによし)らの作品を展示する。展示に合わせ、館内の照明を通常より暗くしたり、テーマごとの入り口に「のれん」を掛けるなど雰囲気づくりにも力を入れる。
「子どもにも分かりやすいように」と作品紹介も工夫する。「私、生きているときは本当に美人だったのよ」などと作品に描かれている幽霊が話し掛けているような手法を取り、より分かりやすく楽しく解説を付ける。展示する作品の幽霊や妖怪の中から48人を選び「YKI48 総選挙」として来館者の人気投票も行う(5月13日まで)。1位になった妖怪を選んだ人の中から抽選で30人に景品を進呈するという。
5月3日・10日・17日には同館学芸員による展示解説(無料)も行う。脇田修館長は「幽霊・妖怪画がここまで一堂に集まるのは珍しい。この機会にぜひ見に来てほしい」と話す。
開館時間は9時30分~17時(金曜は20時まで)。火曜休館(4月30日は開館)。入館料は、大人=1,200円、大学生・高校生=800円、中学生以下無料。