大阪歴史博物館(大阪市中央区大手前4)は4月26日、スマートフォンやタブレットPC向けのアプリ「AR難波宮(なにわのみや)」のサービスを開始し、5月3日・4日には体験ツアーを行った。
同アプリは現実の環境にコンピューターで画像などの情報を付加するAR(Argumented Reality=仮想現実)技術を用いたもので、難波宮の復元画像と現実の風景を重ねて見ることができる。同3日・4日のアプリ体験ツアーには、各回とも定員10人の枠がほぼ満員に。参加者はガイドの案内の下、貸し出されたiPadを思い思いにかざしながら館内を回り、「復元」された飛鳥時代から奈良時代の宮都の様子を楽しんだ。
アプリが使用できるのは、同館アトリウム・エントランスホールなど6カ所。それぞれの場所に設置された「ARマーカー」を読み込むと、復元された難波宮の画像が浮かび上がる。10階の「古代フロア」の窓からは、前期・後期難波宮の中心部を復元した景観が大阪の街並みと共に望める。主だった建物については、解説テキストのほか拡大したり回転させたりする機能も加えている。
「なにわ活性化プロジェクト」の一環で、数多く残る貴重な歴史遺産を生かした地域活性を目指す同アプリ。25年前に自身が難波宮発掘調査に携わっていたという学芸員の積山洋さんは「このアプリをきっかけに、なにわ・上町台地の歴史遺産にもっと興味をもってもらえたら」と語る。
同アプリのダウンロードは無料。英語・中国語・韓国語にも対応。