「幕末・維新期の動乱と大坂城」-城の変革期を読み解く企画展

展示は大阪城天守閣の3階で行われる

展示は大阪城天守閣の3階で行われる

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 大阪の観光スポットとして知られる大阪城天守閣(大阪市中央区大阪城1、TEL 06-6941-3044)で、企画展「幕末・維新期の動乱と大坂城」が開催されている。

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 徳川幕府によって再築されたにもかかわらず、3代将軍家光より14代将軍家茂まで入城する将軍がいなかった大坂城。やがて幕末になり長州藩や薩摩藩などの西国諸藩が力をつけ、朝廷の発言力が重みを増し始め、政治的にも軍事的にも位置づけが変わっていった大坂城にクローズアップし、約1万点ある所蔵品の中から幕末から明治維新にかけての大坂城にかかわる約70点を展示する。

 今回の展示では大阪城内に置かれた陸軍の大阪鎮台の様子や、明治天皇が大阪行幸する様子を描いた錦絵。1867年に徳川慶喜がイギリスの公使ハリー・パークスと大坂城で会見を行ったことを伝えた、イギリスの絵入り新聞「ロンドンニュース」の記事など、その時代と大坂城の関わりがうかがえるものが多くみられる。

 ほかにも、歴史ファンから人気の高い坂本龍馬の自画像や西郷隆盛が書いた自筆詩文、安政の大獄から逃れた隆盛と僧侶の月照が前途に絶望して投身自殺を図ろうとする絵など、あまり知られていない当時の様子を伝えるものが並ぶ。

 当時の写真技術で撮影された、明治維新の大火で消失する前の大坂城本丸東側の諸櫓の貴重なガラス湿版写真なども一般に公開する。(当公開のみ12月上旬までを予定。問い合わせはTEL 06-6941-3044まで)。

 大阪城天守閣学芸員の瀬島さんは「幕末から明治維新まで順を追ってわかりやすく展示している。当時の世相や群像とともに、大坂城のたどった歴史にも思いを馳せてみてほしい」と同展の魅力を話す。

 入館時間は9時~17時(最終入館は16時30分まで)。料金は、大人=600円、中学生以下=無料。来年1月中旬まで。

大阪城天守閣

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