献血離れを食い止め、献血の輪を広げるために、大阪府赤十字血液センター(大阪市城東区森ノ宮2、TEL 06-6962-7654)が展開している趣向を凝らしたサービスやイベントが、注目を集めている。
今秋より同センターでは、献血を受けた人へ抹茶の無料サービスを開始。毎月第3火曜に11時から14時まで行われ、献血終了後にとる休憩時間のタイミングを使ってお茶が点てられる。作法を知らなくても気軽に楽しめる略式で、お茶はMOA美術・文化財団のインストラクターがボランティアで振る舞う。
ソファに座りながら茶会さながらのお手前が披露され、抹茶と和菓子を用意。11月20日には、「以前来たときに抹茶のサービスあると知り、この日に合わせて来た」(60代男性)など、3時間の間に19人の献血者がこのサービスを受けた。
今月からは第1水曜に手相占いも始めた。10時から先着10人、13時から先着10人の2部制で、「けんけつE倶楽部」会員限定で参加できる。占い師の大岡一成さんと谷口博美さんが、献血終了後に10分ほどかけて鑑定を行う。「評判も上々」(同センター)で、今年春から手相占いを行っている阪急グランドビル25ルームでは、大岡さんに「仕事で才能が開花する」と診断された人から「念願の動物病院に受かった」という報告もあったという。通常木曜の献血者数平均77人が、占いを行う第2木曜のみ平均88人と増えたため、同センターでも献血者数の増加が期待される。
こうしたイベント攻勢の背景にあるのは、歯止めのかからない献血離れ。大阪府での献血者数が1999年度には46万人を超えていたが、昨年は37万人に減少。同センター企画課では「昨年度の献血者のうち75%が、年に1度の協力となっている。あともう1回皆さんに献血していただければ、献血をより安定的に確保できるようになる。プラス1献血、継続的な献血へのご協力をお願いします」と呼びかける。
特に若い世代の落ち込みが大きいため、「けんけつE倶楽部」でのメール会員増加を狙う。不足している血液のお知らせや、手相占いのような倶楽部会員対象の個性的なイベントを企画するなど、献血確保のために行うさまざまな活動に期待がかかる。