大阪城公園(大阪市中央区大阪城1)で4月23日、園内に残る戦跡などを巡るウオークイベント「戦跡ウオーク」が開催された。主催は日本セカンドライフ協会。
現役を退いたサラリーマンらの「生きがい」づくりを支援するため、企業・団体を越えて発足した同協会。講演会や工場施設見学、旅行・散策などさまざまなイベントを企画している。
今回は、陸軍唯一の大口径火砲の製造拠点だった大阪城近辺に残る戦跡を巡るツアーで、同協会関西地区運営委員の國司保夫さんと「ピースおおさか」(大阪城2)の常本さんらが企画した。講師に高校社会科教員の塚崎昌之さんを招き、砲兵工廠(こうしょう)跡碑や砲兵工廠化学分析場、中国製こま犬、弾痕の跡などを巡る。
塚崎さんは、1905(明治38)年~1945(昭和20)年の40年間に発行された新聞3紙を読破した知識を生かして、年70回ほどウオークイベントの講師役を務めているという。当日は雨が降る中約20人が参加し、第四師団司令部庁舎だった戦争史跡の下には太平洋戦争時に地下通路が掘られた、などの塚崎さんの説明に聞き入っていた。その後、参加者らは「ピースおおさか」で戦争展示物を見学した。
参加者の坂本重貞さん(84)は「過去を振り返るのはちょっと抵抗があったが、進むにつれて懐かしく思った。ええ懐かしさではないけど…」と話す。「年とともに世間も狭くなってくる。現役時代は畑の違う人との付き合いはなかったから、元銀行勤めや製薬会社の人らと話すのは新鮮。これからも人間付き合いを大切にしたい」とも。