京橋に3月1日、日本料理店「菜庭酒菜 櫓仁(なにわしゅさい ろじん)」(大阪市都島区片町2、TEL 06-6949-8776)がオープンした。
店舗面積は約16坪。靴を脱いで上がる一軒家風の落ち着いた和風モダンな店内には、カウンターとテーブルの計22席を設ける。
「若い世代でも気軽に行ける日本料理店」として月替わりのコースをメーンに展開する同店。最も力を注いでいるという3,670円のコースは「ほたるいかと菜の花の胡麻マスタード和え」に始まり、「天然桜の薄造り」「長芋いくら こごみとろろがけ」「筍と地どりの梅ダレ焼き」「桜風味のおぼろ蒸し」「一寸豆のクリームコロッケ」「釜揚げいかなごの梅ごはん」「櫓仁風 いちご大福」「はっさくのゼリー」と続く計16品で構成(内容は4月16日現在のもの)。「コースを売りにしているので、値段も内容もよそと圧倒的に違うもので勝負した」と店主の立林厚太郎さん。酒を楽しむ人用に、「楽盛」までのコース(2,415円)、造りの内容をさらに豪華にした特別コース(5,250円)のほか、一品も用意している。ドリンクは高知の日本酒・「美丈夫」(グラス320円~)など多くそろえる。客単価は約5,000円。
同店が最もこだわる素材は大阪伝統野菜。一時は産業発展の影で姿を消していたが、近年少しずつ作られるようになっているという。同店では青果店と提携し、天王寺かぶら・毛馬きゅうり・守口大根・吹田くわい・河内れんこん・貝塚の木積(こづみ)竹の子など旬の大阪伝統野菜を取り入れている。「魚同様、野菜も鮮度が大事。貝塚の筍などその日の朝採ったものを数時間後にすぐに湯がくので、アクがまったくまわっておらず、ヌカが必要ない。地ものだからこそ出る味わいが大阪野菜の魅力。門真れんこんもサクサクではなくモチモチしている」。
立林さんはこれまで北新地・梅田・守口の割烹料理店に勤務。「30歳までに自分の店を持ちたい」と、今回29歳で念願で独立を果たした。京橋の地を選んだのは、「日本料理の持つ落ち着いたイメージとのギャップがあるから」。オープンから約1カ月半、「自分がやりたかったことで、お客さんが喜んでくれてうれしい」とやりがいを感じているという。
営業時間は17時~翌1時。