商店街全体が一致団結して商品の一部を100円均一で販売する「100円商店街」が4月10日、京橋中央商店街(大阪市都島区)で開催された。企画運営は同商店街振興組合と大阪商工会議所。今月3日に大阪第1弾として千林商店街(旭区)で開かれた。
参加店は約60店舗で、同商店街全体の約9割に及ぶ。当日は11時スタートにもかかわらず10時過ぎにはすでに商店街一帯が混雑し始めるという盛況ぶりに。中でも青果店「吉田屋」ではイチゴやトマト、ニンジン、バナナなどを1パック100円で販売するとあり、近隣住民が長蛇の列を作ったほか、すし店「祇園寿司」のサバのそぼろずしや、「イタリアンキッチン・マルココ」のシフォンケーキなど100個も「朝イチ」で完売した。
京橋で創業45年の「ヘアーサロン・クイン」は通常700円の「丸刈り」を100円(大人・子どもともに)で提供。「みやこハウジング」は、当日契約に限り仲介手数料を100円(通常は賃料の約半値)にしたほか、月額45,000円~50,000円のワンルームマンション賃料を最初の1カ月のみ100円にする企画も(物件による)。「ジーンズハウス・ピエロ」は定価4,900円のショートパンツや9,800円のジーンズを100円で販売した。
不況下での商店街活性化を目的とした100円商店街。「今はどこの商店街も閑散としている。そんななか、とにかく商店街に足を運んでもらう、店をのぞいてもらうという部分で各店の宣伝につながれば。今まで店の中に入ったことがないというお客さまにも入ってもらうチャンスになるのでは」と同商店街振興組合の古川公一さん。
ジーンズハウス・ピエロの宮田さんは「これをきっかけにいろいろな人に店を知ってもらいたい」、みやこハウジングの広兼さんは「不況で空き部屋が多いので少しでも入居につながれば」と話す。城東区・蒲生から来た主婦の宮城さんと田中さんは「ここ(吉田屋)の野菜はいつも安いが、今日はさらに安く買えてうれしい。100円であっちでもこっちでも買えるのが魅力」と話していた。
「今日のお客さまが明日も来てくれるように。地域の人が楽しんでいただけるような商店街づくりを目指したい」(古川さん)。現在100円商店街は日本全国で開催されており、今後、大阪市内では桃谷本通東商店街(生野区=5月1日)、大阪生野地区ミナミ6商店街(同=同28日・29日)、野田新橋筋商店街(福島区=同29日)で予定されている。