千趣会(大阪市北区)とJDN(ジャパンデザインネット 東京都台東区)が共催で開催したクリエーティブコンペティション「1000cc」の審査員特別賞に、京橋を中心に活躍するデザインユニット・SLYMEの吉田龍司さんと酒井雄大さんの作品が選ばれた。
「1000cc」は日常の「ちょっとしたイヤなこと」をクリエーティブの力で「楽しいこと」に変えていく新しいコンペティション。1回目のテーマは「雨×sweet」。本来憂うつなイメージが強い雨の日を、「楽しい」「待ち遠しい」気分になるようなアイテムのデザインやアイデアを、ファッション・ファッショングッズ・テキスタイル・インテリア雑貨を対象に募集した。応募総数は528作品。
審査員特別賞に選ばれたSLYMEの作品「てるてる傘」は、個々の傘の頭に装着するゴム製のキャップで、無地の球状に思い思いの顔を描くことができるもの。同作品により、十人十色の表情をしたてるてる坊主が晴れることを願っているようなほのぼのとした風景が広がる。さらに公共の場で置いた傘を自分の物と判別する目印ともなり、傘を少し立て掛けた際に滑り倒れることを防ぐ役割も果たすという。
「雨がやんで役目を果たした『てるてる傘』が、次の出番を待つ献身的な愛らしさが、所有者の傘に対する愛情にもつながる」(SLYMEの吉田龍司さん)。
SLYMEの2人は滋賀県立大学デザイン学科卒の先輩後輩で結成されたデザインユニットで京橋出身。現在は大阪市旭区内で作品づくりを手がけている。