
古着を通じてポリオワクチンの寄付につなげる社会貢献活動「古着deワクチン」が6月27日、「関目こどもカレー食堂」(大阪市城東区関目3)で開催された。
「古着deワクチン」は、不要になった古着を専用袋に入れて送付することで、開発途上国の子どもたちへポリオワクチンを届ける取り組み。古着自体も現地で再利用される。
主催は、一般家庭向けの衛生用紙を販売するアスト(中央区)。同社の沼田美幸さんが、「地域の人とつながり、誰かの役に立てる活動を」と社内に提案したことをきっかけにスタート。過去に北海道で古着を回収し、約200人分のワクチン寄付に貢献。現在は全国に8人のプロジェクトメンバーが在籍し、オンラインで打ち合わせを重ねながら、地域メンバーと連携し各地で活動を展開しているという。
今回の開催は、「地域とのつながりをさらに深めたい」という思いから「関目子どもカレー食堂」の担当者に話を持ちかけ実現。地域と企業、こども食堂を結ぶ新たな交流の場となった。
古着の回収は正午から19時まで行い、こども食堂の開催時間(17時~19時)には、多くの親子連れや地域住民によって衣類や服飾雑貨が次々と持ち込まれた。参加者からは「次回も開催されれば、ぜひ参加したい」という声も聞かれた。
会場では子どもたちがカードを使ってSDGsについて楽しく学べるコーナーも設け、環境や社会貢献への関心を育む取り組みも行った。
「関目こどもカレー食堂」は、地域の活性化を願って立ち上げられた拠点。元飲食店のシェフが手がけるカレーを提供しながら、子どもから高齢者まで誰もが安心して過ごせる「出会いと学びの場」を目指している。運営者の田中和子さんは「うまくいかず悩んだ時期もあったが、近所の方が60キロの米を寄付してくれたこともある。応援していただく方々の存在が大きな支え」と話す。
アストでは今後も、地域と共に歩む活動を全国各地で広げていく方針。