見る・遊ぶ

大阪歴史博物館で「新収品お披露目展」 33件展示、初公開の資料も

古墳時代に出現したニワトリの埴輪と考えられている

古墳時代に出現したニワトリの埴輪と考えられている

  • 32

  •  

 令和4年度、5年度に市民から寄贈された資料を展示する「新収品お披露目展」が現在、大阪歴史博物館(大阪市中央区大手前4)の8階特集展示室で開催されている。

鉄小風炉肩衝釜添

[広告]

 同館は、地域の歴史と文化を広く紹介し理解を深めることを目的に、毎年市民から寄贈された資料を保管し、研究や展示に活用している。寄贈される資料は、考古資料、美術工芸品、民俗資料など、時代・ジャンルともに多岐にわたる。同展では、近年新たに同館所蔵となった資料の中から、未公開のものを中心に約30件を展示する。

 ニワトリの埴輪(はにわ)と考えられている「鳥形埴輪(はにわ)」は、古墳時代に出現したとされる。ニワトリは、悪霊が活動する闇夜からの夜明けを告げる霊鳥と信じられていたとされ、動物をかたどった埴輪の中で、最も古くから事例があるという。

 江戸時代の新収品には、通常より小さな「茶釜」「抹茶碗」「琴」を展示。これらは子ども用に作られたミニチュアで「ひな遊び」をするための品だという。いずれも精巧に作りこまれており、「茶釜」に関しては特注品として作られたという証明まである。

 子ども用のものとして、昭和前期の着物も展示する。鮮やかな花柄の着物や、泡に見立てた丸紋の中に、竜宮城のようなものが描かれた幻想的な着物。中でも目を引くのが、戦闘機が描かれた袖無半纏(はんてん)。1943(昭和18)年生まれの男児のためにあつらえられたもので、戦時中の情勢が色濃く現れている。

 学芸員の谷口正樹さんは「寄贈される方々の思いを汲み取って、展示会や研究を行うのが我々の使命。今後も当館の活動を見て頂き、市民の皆様に賛同頂けるような活動をしていきたい。市民の皆様には感謝しかない」と語る。

 開館時間は9時30分~17時。火曜休館。観覧料=大人600円、高大生400円。中学生以下、大阪市内在住の65歳以上(要証明証提示)の方、障害者手帳持参者(介護者1人を含む)は無料。9月2日まで。

  • はてなブックマークに追加

京橋経済新聞VOTE

あなたのお住まいはどちらですか?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース