京橋の生花店「FiL et FiL(フィルエフィル)」(大阪市都島区中野町2)が、自宅での時間を楽しむための「おうち時間ブーケ」の販売を4月8日に始めた。
2008(平成20)年11月に創業した同店。10年目に店舗販売をやめ、オーダー専門店として全国に花を届けている。新型コロナウイルスの影響により、式の縮小や装花の注文ストップ、イベントの延期が相次ぎ、花の需要は激減。店主の久保真さん(40)は、行き場をなくした花をブーケにし「おうち時間ブーケ」としてオンラインで販売している。配送料込みで3,000円。告知をすると1時間後には完売するという。「通常ではできない価格だが、今後も続けていきたい」と話す。
「おうち時間ブーケ」の始まりは「お客さんへのサプライズがきっかけ」と久保さん。桜が奇麗な時期、高齢の常連客が家から出られずにいると知り「自宅でお花見を楽しんでほしい」とサプライズで花を贈った。受け取った相手からは「涙が出た」と感謝の電話が。久保さんは「きっと私と同じように大切な人に花を贈りたい人がいるはず」と考え商品化した。
「おうち時間ブーケ」の取り組みと同時に母の日ギフトの販売も始めている久保さん。カーネーションを主役に、受け取る母親が一目で喜ぶように花合わせとデザインを工夫している。「こんな時だからこそ大切な人に感謝の気持ちをお花に込めて伝えてほしい」と呼び掛ける。
「おうち時間ブーケ」の販売はSNSで随時告知する。ホームページ、電話、メールで注文可能。3日前までの予約が必要。